「豚汁人」と呼ばれた日系ブラジル人が自治会長に 外国人75%の団地で奮闘
「豚汁人」と呼ばれた日系ブラジル人が自治会長に

外国人住民が大半を占める団地での共生

愛知県西尾市にある「愛知県営新渡場住宅」は、入居する52戸のうち39戸が外国人住民で、その比率は75%に上る。県内で最も外国人世帯の割合が高い団地だ。この団地で自治会長を務めるのは、日系ブラジル人3世のワタナベ・マテウス・ハジメさん(43)。2022年からその任に就いている。

ワタナベさんはブラジル・サンパウロ州北部のミラソル市で生まれた。1995年、12歳のときに「デカセギ」の父に連れられて初来日。日本語が全く話せず、学校では「ぶたじる(豚汁)人」とからかわれた。人気アニメ「ドラゴンボール」と「幽遊白書」のせりふをノートに書き写して日本語を独学。今では流ちょうに操り、「簡単ですよ」と笑う。

心臓病を患った父の看病のため一時帰国した後、2015年に家族で再来日。自動車部品メーカーのアイシンやイナテックで働き、現在は三菱自動車の岡崎製作所で派遣社員として勤務する。1週間ごとの日勤と夜勤の2交代制で、4人の子育てにも追われる。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

自治会長としての奮闘

忙しい合間を縫って、自治会長としてゴミ出しや騒音など、外国人住民が多い団地特有のトラブル解決に奔走。夏にはバーベキュー・イベントを開催し、周辺の見回りも欠かさない。深夜に駐輪場で不審者を見つけ、追いかけたこともある。その積極的な姿勢は、同胞のブラジル人だけでなく、日本人やベトナム人住民からも信頼を集めている。

ワタナベさんは「新渡場を家族のようにしたいんです。せっかくみなさんがここに住んでいるのだから」と語る。

この連載「ホーミー」は、深刻な人手不足の中で欠かせない存在となった外国人労働者に焦点を当て、言葉や習慣の違いから生じる地域との摩擦を乗り越え、共生を目指す人々の姿を描く。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ