島根県で70代男性がSNSロマンス詐欺に遭い、金延べ棒など約3億円相当を被害
島根県警察本部は2026年4月2日、県東部に居住する70代の男性が、SNSを利用したロマンス詐欺の被害に遭い、金の延べ棒や金貨、現金など合計約3億2448万円相当をだまし取られたと正式に発表しました。この事件は、近年増加傾向にある特殊詐欺のなかでも、特に高額な被害額が注目されるケースとなっています。
詐欺の手口と被害の詳細
発表によりますと、被害に遭った男性は昨年12月上旬から、あるSNSアプリケーションを通じて見知らぬ人物と交流を開始しました。相手は女性の名前を名乗り、男性に好意を抱かせるようなやりとりを重ねた後、海外の資産運用会社が開発したAIシステムを利用した投資を強く勧めてきたといいます。
男性はその勧めに従い、今年1月下旬に投資用の口座を開設。その後、相手から「金(きん)を投資資金として充てることが可能である」と説明され、手配された担当者に対して、複数回にわたり県東部の指定場所で金の延べ棒を直接手渡したとされています。
巧妙な罠と繰り返される要求
SNSアプリ上では、男性の総資産が約30億円と表示され、一見すると巨額の利益が上がっているように見せかけられていました。しかし、詐欺師側は「投資で得た利益を現金化するためには、利益の8%に相当するサービス料の支払いが必要である」などと理由を付け、さらなる金品の提供を要求。
その結果、男性は2026年1月21日から2月26日までの約1カ月間に、計10回にわたって金の延べ棒21本、金貨16枚、そして現金2300万円を渡すことになり、最終的な被害総額は約3億2448万円相当に達しました。金の延べ棒と金貨の時価評価額は約3億円と見積もられています。
警察の対応と今後の捜査
島根県警は現在、詐欺の実行犯や背後関係の解明に向けて、本格的な捜査を進めています。今回の事件は、SNSを介したロマンス詐欺が、従来の電話やメールを使った手口とは異なり、より長期にわたって信頼関係を構築し、高額な財産をだまし取るケースとして、極めて深刻な事例と言えるでしょう。
県警の担当者は「高齢者を標的とした特殊詐欺は後を絶たず、特にSNSを利用した新たな手口には警戒が必要です。不審な投資話や金品の要求があった場合は、すぐに警察や消費生活センターに相談してほしい」と注意を呼びかけています。
社会的な背景と対策の重要性
近年、AI技術を謳った投資話や、SNS上で偽りの関係性を築くロマンス詐欺が急増しており、全国で多額の被害が報告されています。島根県のこの事例は、その危険性を如実に示すものと言えます。
専門家は、以下の点を特に強調しています。
- SNS上で知り合った人物からの投資勧誘には絶対に応じないこと
- 高額な金品や現金の受け渡しを要求された場合は、詐欺を疑うこと
- 家族や周囲の人に相談し、客観的な意見を求めること
今後も同様の手口による詐欺が発生する可能性が高いため、継続的な啓発活動と、迅速な被害防止策が求められています。



