生後7カ月長男死亡事件で父親に無罪判決 宇都宮地裁「犯罪の証明ない」
7カ月長男死亡で父親無罪 宇都宮地裁「証明ない」 (10.03.2026)

生後7カ月の長男死亡事件で父親に無罪判決

2026年3月10日、宇都宮地裁(児島光夫裁判長)は、生後7カ月の長男を死亡させたとして傷害致死罪に問われた父親の男性(27)に対し、無罪判決を言い渡しました。検察側が懲役8年を求刑していた中での判決です。

「犯罪の証明がない」と判断

児島裁判長は判決理由で「犯罪の証明がない」と明確に述べ、被告人の無罪を宣言しました。この裁判は裁判員裁判として行われ、一般市民が審理に参加しました。

事件は2018年、宇都宮市の自宅で発生しました。当時19歳だった被告男性は、生後7カ月の長男の頭部に暴行を加えて死亡させたとして、2020年5月に傷害致死容疑で逮捕されました。一度は処分保留で釈放されましたが、2023年8月に正式に起訴され、勾留状態が続いていました。

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死因をめぐる争い

長男の公式な死因は「びまん性脳損傷」とされていましたが、裁判ではこの点が大きな争点となりました。被告男性は初公判から一貫して起訴内容を否認し、弁護側は長男の死因が脳損傷ではなく、てんかんのけいれん発作に伴う無呼吸などによる可能性を主張していました。

弁護団は医学的証拠を詳細に検証し、暴行と死亡との因果関係に合理的な疑いが存在すると訴えました。これに対し、検察側は暴行による傷害が死因であると主張していましたが、裁判所は弁護側の主張を認める判断を示しました。

この判決は、乳幼児の死亡事件において医学的証拠の解釈が裁判の行方を左右することを改めて示す事例となりました。児島裁判長は判決文で、証拠の評価と証明責任の原則に基づいた判断であることを強調しました。

事件発生から約8年を経て下された今回の判決は、刑事司法における証明の厳格さを浮き彫りにしています。被告男性は法廷で判決を聞き、表情を硬くしながらも深くうなずいた様子でした。

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