神奈川県横浜市青葉区の寺家ふるさと村にある「のむぎ平和のバラ園」で、平和への願いが込められたバラの品々が咲き誇り、訪れる人々に先人たちの祈りを伝えています。6月6日と7日には「平和のバラ祭り」が開催され、多くの来場が期待されています。
バラ園の成り立ちと平和への想い
このバラ園は1998年、不登校の生徒たちが通う「のむぎオープンコミュニティースクール」の女子生徒3人が「アンネの日記」に感銘を受け、兵庫県西宮市の「アンネのバラの教会」から苗を譲り受けたことが始まりです。専門家の協力を得て、接ぎ木によって「アンネのバラ」を増やしてきました。このバラは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害で命を落としたアンネ・フランクを追悼するために作られました。つぼみは赤く、開花とともにオレンジ、ピンクへと色を変える特徴があります。
平和を象徴する多彩なバラ
園内には、淡いピンクの「カズエ」が咲いています。これは1977年に当時の緑区(現青葉区)の住宅地に米軍機が墜落した事故で息子2人を失い、その後亡くなった女性を悼む花です。女性の父親が「二度と同じ悲劇を繰り返してはならない」との思いを込めて、このバラ園に苗を託しました。
そのほかにも、1945年に米国で開かれた太平洋バラ会議で平和を願って「ピース」と名付けられた黄色いバラや、「9条・希望」と名付けられた深紅のバラ、1954年の第五福竜丸事件にちなんだ「愛吉・すずのバラ」があります。また、広島市から贈られた「被爆アオギリ2世」も青々と葉を広げています。これは原爆投下後、市中心部で被爆しながらも再び芽吹いた「被爆アオギリ」の種から育った木です。
運営者の願いと後継者探し
1982年からスクールを運営し、生徒たちと共にバラ園を育ててきた民間教育団体「のむぎ地域教育文化センター」の樋口義博さん(78)は、「平和のための主体形成につながると考え、続けてきました。平和が危うい今こそ、願いの込められたバラを多くの方に見ていただきたい」と話します。
しかし、共に活動してきた妻の優子さん(82)が体調を崩し、最盛期には300~400株あったバラも現在は約100株に減少。近隣団体の協力で維持していますが、将来を見据えて後継者を探しています。「バラのメッセージを受け継ぎ、次代に伝えてもらいたい」と樋口さんは願っています。
祭り概要
祭りは午前10時から午後4時まで。入場料は1人100円以上の運営カンパを募ります。問い合わせは樋口さん(電話090-2489-4061)まで。



