29年経過も解決へ向けた決意 香川女子高生殺害事件で大規模捜索
香川県旧琴南町(現・まんのう町)の山中で1997年、県立観音寺一高1年の真鍋和加さん(当時16歳)が遺体で発見された殺人・死体遺棄事件から、29年が経過した。容疑者の特定には至っていないが、香川県警察は解決を目指し、今月、遺体が発見された現場などで遺留品の大規模な捜索を実施した。この動きは、全国各地で長年未解決だった事件が近年、容疑者逮捕に結びつくケースが相次いでいることを背景としている。
事件発生から29年、捜査の難航と新たな動き
県警によると、和加さんは1997年3月15日午後10時過ぎ、アルバイト先のJR詫間駅前のコンビニエンスストアを出た後、行方不明となった。この日は雨が降っており、アルバイト前は家族がコンビニまで送迎したが、終了後は迎えを頼む連絡がなかったという。直後、コンビニ前の交差点で、和加さんが傘を差さずに誰かを待つようにたたずむ姿を、知人女性が目撃していた。
その後、和加さんは約30キロ離れた琴南町川東の雑木林で遺体で発見され、死因は首を絞められたことによる窒息死と判明した。県警はこれまで、延べ約6万3000人の捜査員を投入し、243件の情報提供を受けてきたが、容疑者の特定には至っていない。捜査関係者によれば、和加さんに目立った人間関係のトラブルはなく、当時、現場周辺には防犯カメラがほとんどなかったこともあり、捜査は難航を続けている。
大規模な遺留品捜索の実施と背景
このような状況の中、県警は3月6日、現場付近で計40人の捜査員を動員し、遺留品の捜索を実施した。遺体が発見されたまんのう町の雑木林では約35アールの区域を入念に捜索し、和加さんの左足の靴が見つかった三豊市高瀬町の朝日山森林公園では約20アールの範囲で懸命な調査が行われた。現場はいずれも急斜面で、捜査員はハーネス(安全器具)を装着し、熊手などで枯れ葉や土をかき分ける作業に従事した。
現場付近での大規模な捜索は、事件発生した1997年以来となる。県警がこのタイミングで捜索に乗り出した背景には、昨年10月に名古屋市西区のアパートで1999年に住人女性が殺害された事件が26年を経て容疑者逮捕に結びつくなど、各地で未解決事件の捜査が進展している事例が影響している。
関係者の思いと今後の展望
事件発生当時、県内警察署の刑事課員として捜査に携わった警察官(59歳)は語る。「29年たっても検挙できていないのが悔しい。捜査に直接関われないときも、頭の中にはずっと残っていた」と述べ、来年の定年退職を控え、「若手には『事件の解決が使命である』と日頃から伝え、熱が冷めないよう意識している」と強調した。
6日の捜索には、小林雅彦・県警本部長も現場に立ち、木製の棒を使いながら捜査に加わった。小林本部長は「関係者の悲しみは時間が解決するものではない。1人分のちょっとした力にしかならなくとも動きたいと思い参加した」と力を込めて語った。
来年で事件発生から30年を迎える中、県警は引き続き情報提供を呼びかけている。情報は県警捜査1課のフリーダイヤル(0120・120・016)か琴平署(0877・75・0110)、三豊署(0875・72・0110)まで。



