世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の清算手続きに伴い、高額献金などの被害申告の受け付けが20日、正式に始まった。受付期間は1年間で、清算人に選任された弁護士が債権と認めた場合、教団の資産から弁済が行われる。特に、信者の親を持ついわゆる「2世」の被害が賠償対象となるかが大きな焦点となっている。
清算手続きの進捗
東京高裁が3月に解散命令を決定したことを受け、教団の清算手続きが本格化。裁判所から清算人に選ばれた伊藤尚弁護士(第一東京弁護士会)が教団の財産を保全し、違法な献金被害などの弁済に充てる。清算人は4月20日時点で約400億円の預貯金を保全し、不動産の売却も進めているとされる。
被害申告の詳細
清算人は5月20日、ホームページに被害申告に関する案内を掲載。申告対象は教団の信者や元信者本人のほか、宗教2世なども含まれる。賠償が認められる「債権」の内容として、献金や物品購入のほか、慰謝料などが示された。教団が保有する献金額などの情報は、申請に応じて開示される。
申告方法はオンラインまたは書面の郵送で受け付け、本人確認書類のほか、通帳や領収書、購入物の画像など被害確認のための資料提出が必要。清算人は、債権認定の時期は未定としており、弁済まで数年かかる可能性もある。
救済の現状
教団による被害救済をめぐっては、2022年11月に全国統一教会被害対策弁護団が発足。2026年3月時点で計273件288人が東京地裁に集団調停を申し立て、教団が195人に計約39億6400万円を支払う調停が成立した。一方、教団は2025年10月に外部弁護士らによる「補償委員会」を設置したが、現在は活動を終了。教団公式サイト(閉鎖)によると、2026年2月時点で334件の申請を受け付け、11件計約1億8800万円の補償を決定した。
弁護団は、調停や訴訟が続いている人が希望する場合、清算人に被害申告する方針。解散命令の高裁決定後に寄せられた新たな相談(5月11日現在で316件)についても、申告または調査を進めるという。
精神的被害の認定が焦点
特に注目されるのは、精神的な被害の認定だ。信者を親に持つ2世は、親族の献金による生活困窮、進学機会や交友関係の制限、教義による心理的影響などで健康や自立が困難になったと訴えるケースが多い。清算人は申告案内の中で、賠償が認められる状況として15の類型を例示。強引な献金勧誘のほか、親族の献金による生活苦で進学を断念せざるを得なかったケースなどを挙げている。
申告の問い合わせは清算人コールセンター(0570・666542、平日午前9時~午後5時)。被害申告の郵送先は〒885-0044 宮崎県都城市安久町5023-1 債権申出等書類受領事務担当。法テラスによる無料相談は23、24日(午前10時~午後4時)0120-005931。詳細はホームページ(https://ffwpu-seisan.jp/)で確認できる。



