大阪・道頓堀で17歳3人刺され死傷、21歳男を殺人容疑で緊急逮捕
大阪市中央区心斎橋筋の商業ビル周辺で14日午後11時55分頃、17歳の少年3人が男に刃物で刺される事件が発生した。いずれも救急搬送され、うち1人が死亡、他の2人は重体や重傷を負った。大阪府警は15日午前10時35分頃、約1.5キロ南の路上で男を発見し、殺人容疑で緊急逮捕した。
逮捕された男と被害者たちの関係
逮捕されたのは、大阪市住吉区山之内の無職、岩崎龍我容疑者(21)。調べに対し、「初めはナイフで威嚇するつもりだったが、向かってきた男の胸を突き刺した。殺意はなかった」と供述しているという。
死亡したのは奈良県田原本町の会社員、鎌田隆之亮さん(17)。他の被害者は、大阪府八尾市の職業不詳の少年と同府柏原市のアルバイトの少年で、いずれも上半身を刺された。八尾市の少年は意識不明の重体、柏原市の少年は内臓損傷で全治約3週間の重傷という。
岩崎容疑者と鎌田さんらは、現場近くの戎橋下の遊歩道「グリ下」に出入りし、面識があったとみられる。事件当時、現場には7、8人の男女が集まっており、捜査関係者によると、直前に岩崎容疑者が女性に迷惑行為をし、鎌田さんらが注意したことがトラブルの発端とされる。
事件の詳細と現場の状況
事件後、大阪府警は防犯カメラの映像や目撃証言から岩崎容疑者の関与を判断。大阪市浪速区の路上で単独歩行中の同容疑者を発見し、職務質問で事件への関与を認め、凶器とみられる刃物を所持していたことから緊急逮捕した。
逮捕容疑は、14日午後11時55分頃、商業ビル1階の入り口付近で、鎌田さんの胸などを刃物で数回刺して殺害した疑い。現場は道頓堀川沿いの繁華街で、国内外から観光客が集まるグリコ看板の近くにある。
グリ下は近年、悩みを抱える若者がSNSを通じて集まる場所として知られ、性犯罪などのトラブルが相次いでいた。大阪市や府警は2023年から「グリ下会議」を開き、対策を協議している。
目撃者の証言と事件後の混乱
商業ビル1階の警備室で勤務していた警備員の男性(75)は、防犯カメラのモニター越しに事件の様子を目撃した。警備員によると、モニターに7、8人の若い男女のグループが映り、男同士のもめごとのように見えたという。
その後、モニターから目を離した際、「ドン」と大きな音が聞こえ、再びモニターを見ると、黒い服を着た男が走り去り、腹部を押さえた男性が追いかけるように出て行った。警備室の外に出ると、床に血痕が点々と落ちており、道頓堀橋には血まみれの男性が倒れていた。
事件直後、現場にはパトカーや救急車が多数出動し、規制線が張られて通行禁止となった。深夜でも観光客の多いエリアで、一帯は騒然とした。
被害者を悼む声
鎌田さんは小学生の頃、地元の奈良県田原本町などで活動するサッカーチームに所属していた。当時を知る50歳代の男性は「いつもニコニコしていた。あの笑顔を思い出すと涙が止まらない。なぜこんなことになったのか」と語った。
鎌田さんと親しい高校1年の少女(16)は15日夕、現場を訪れて冥福を祈った。彼女は「お兄ちゃんのような存在だった。人間関係の悩みを相談すると親身になってくれた。亡くなったことが信じられず悲しい」と述べた。
大阪府警は、事件の詳しい経緯を調べるとともに、グリ下周辺の安全対策を強化する方針だ。



