水門に車衝突から1年、整備士目指した19歳の夢と無念
水門衝突事故1年、整備士目指した19歳の無念

昨年4月、長野県飯田市の堤防上の市道で発生した乗用車の水門衝突事故から、24日で1年が経過した。この事故では、県立職業訓練校「飯田技術専門校」に通う19歳から20歳の訓練生4人が死亡。後部座席に乗っていた同市の勝野碧人さん(当時19)の自宅には、彼が購入し、事故の4日後に納車された車が今も残されている。

事故から1年、友人が車を洗う

25日、勝野さんの友人2人が自宅を訪れ、車を丁寧に洗車した。ガソリンスタンドのバイト仲間でもあった金田虎さん(20)は「運転している姿を見たかった。悔しい」と声を詰まらせた。金田さんは別の友人と共に、水あかや砂ぼこりが目立つ車を30分かけて洗い上げた。

夢叶わず、整備士の道絶たれる

勝野さんは卒業後の今年4月から、市内の自動車整備工場で整備士として働く予定だった。車好きだった彼は、ガソリンスタンドでのアルバイトで貯めた金と親からの借金で中古車を購入。母親の早紀子さん(46)は、納車前に車の画像を見て「まじ、いいな」と喜ぶ息子の姿を忘れられない。

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早紀子さんは「あの日から悲しい気持ちは変わっていない。まだ帰ってくるんじゃないかと思う」と喪失感を語る。勝野さんは高校時代から整備士を志し、専門校で仲間に囲まれ夢を強めていたという。

友人の思いと再発防止

同級生の金田さんは「温厚で友達思いの良いヤツだった」と惜しむ。亡くなった4人も同じ夢を追っていたことに触れ「あいつらは整備士になりたかったけど、なれなかった。自分はちょっとしたことであきらめちゃいかんと思った」と語る。

事故現場は道幅約5メートルで、排水管の影響で約1メートル盛り上がっていた。市は再発防止策として減速を促す白線や「速度注意」の路面標示を設置。運転手の男性(当時20)は過失致死の疑いで書類送検されたが、不起訴となった。

早紀子さんは「命を落としてしまうと、残された周りの人がつらくなる。スピードを出した一瞬の事故で、命を絶ってしまうことの恐ろしさを知ってほしい」と訴えている。

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