匿名「足長爺」からの1000万円寄付、YOSHI基金に正式入金 存続危機を救う
匿名「足長爺」1000万円寄付、YOSHI基金に正式入金

匿名の「足長爺」から届いた1000万円、YOSHI基金に正式に入金される

米国ルイジアナ州で1992年に発生した銃撃事件で犠牲となった服部剛丈さん(当時16歳)の両親が設立した「YOSHI基金」を巡り、昨年10月に匿名で届いた1000万円が、正式に基金の口座に入金されたことが明らかになった。この寄付金は、基金の存続危機を伝える新聞記事に包まれて届き、署名には「足長爺(じい)」と記されていた。

銃撃事件を契機に設立された基金の存続危機

YOSHI基金は、1993年6月に服部剛丈さんの父・政一さん(78歳)と母・美恵子さん(78歳)によって設立された。事件を契機に、日米間の相互理解を深めることを目的として活動を続けてきたが、近年では原資が尽きかけ、継続が危ぶまれていた状況にあった。

基金を活用した米国の高校生受け入れ事業は、文化交流の重要な柱として位置づけられており、今回の寄付金により、この事業の継続が可能となる見込みが高まっている。

新聞記事に包まれて届いた匿名の寄付

1000万円は、昨年10月31日に美恵子さんが自宅の庭にあるテーブルの上に置かれているのを発見した。包みには、基金の存続危機を知らせる記事が掲載された同年10月28日付の朝刊が使用されており、余白には「YOSHI基金に使って下さい。足長爺(じい)」とのメッセージが記されていた。

両親はこの匿名の寄付について名古屋・港署に相談し、署は拾得物として3カ月間保管していた。保管期間が終了したため、今回正式に基金の口座に入金される運びとなった。

事件の背景と基金の意義

服部剛丈さんは、名古屋市東区の旭丘高校から留学中だった1992年10月、米国ルイジアナ州で射殺されるという悲劇的な事件に巻き込まれた。この事件をきっかけに、両親はYOSHI基金を設立し、銃撃事件の犠牲者を悼みながら、国際交流や平和活動に取り組んできた。

基金はこれまで、米国からの高校生受け入れを中心に、様々な文化交流プログラムを実施しており、地域社会からも高い評価を得ている。今回の匿名寄付は、そうした活動への支援の輪が広がっていることを示す事例と言える。

政一さんと美恵子さんは、寄付金について「大変ありがたく、基金の存続に大きな希望を与えてくれた」と感謝の意を表している。今後も、事件の記憶を風化させず、国際理解を深める活動を続けていく方針だ。