未来ある多くの若い命を一瞬で奪った軽井沢スキーバス事故から10年。東京高裁は2026年5月22日、バス会社の責任者らのずさんな管理体制が事故原因だったと再び認定した。遺族は「あの日の悔しさ、悲しみは一生続く」と語り、悲惨な事故を防ぐための戒めにしてほしいと強く願っている。
判決の詳細と被告の対応
スーツにマスク姿で出廷した運行会社社長の高橋美作被告(64)と、当時の運行管理者荒井強被告(57)。2時間以上に及ぶ判決の言い渡しを伏し目がちに聞いた後、遺族に向き合い深く一礼して法廷を後にした。高裁判決は、安全管理の不備が事故の直接的な原因であると指摘し、両被告の責任を明確にした。
遺族の思いと活動
判決後の記者会見で、遺族会代表の田原義則さん(60)は「社会に役立つ仕事がしたい」と常に話していた次男の寛さん(当時19)のため、再発防止の活動に取り組んできたと述べた。今月6日には磐越道で男子高校生が亡くなるマイクロバス事故が発生するなど、悲劇は現在もなお繰り返されている。
「起こってはならない事が起きた」と声を落とした田原さん。寛さんの遺影を手に「息子に背中を押されているつもりで、安全をおろそかにすれば事故につながるという軽井沢の事故の教訓を未来に伝えていく」と力を込めた。遺族会は今後も講演会や啓発活動を通じて、事故の記憶と教訓を次世代に継承していく方針だ。
事故の背景と社会的影響
2016年1月に発生した軽井沢スキーバス事故は、長野県軽井沢町でスキー客を乗せたバスがカーブを曲がりきれずに転落、15人の若者が死亡し、26人が重軽傷を負った。事故後、バス業界全体の安全意識向上が求められ、運行管理体制の強化が進められたが、依然として同様の事故は後を絶たない。
田原さんは「この事故を風化させてはいけない。軽井沢の教訓を未来に伝えることが、亡くなった子どもたちへのせめてもの供養になる」と語り、社会全体で安全対策を徹底する必要性を訴えた。



