トランスジェンダー町議がSNSでの差別的投稿を提訴 慰謝料200万円を請求
2026年4月13日、大阪府島本町議会議員の河上りさ氏(43)が、SNS上で繰り返し差別的誹謗中傷を受けたとして、名古屋市在住の50代男性を相手取り、慰謝料200万円を求める訴訟を大阪地方裁判所に提起した。河上氏はトランスジェンダーであることを公表して町議選に立候補し、当選を果たしている。
「女を偽装するインチキ議員」など17件の差別投稿
訴状によると、被告の男性は昨年3月から4月にかけて、選挙期間中および当選直後のタイミングで、X(旧Twitter)やフェイスブックなどのSNSプラットフォームにおいて、河上氏に対して差別的な内容の投稿を計17件行ったとされる。
具体的には「男なのに女を偽装するインチキ議員」、「諦めの悪い女装変態男」、「男が女の議席を奪いました」といった表現が含まれており、これらが河上氏の性自認を否定し、人格を貶める意図を持ったものであると主張されている。
選挙活動や政治活動への深刻な影響も
河上氏側は、一連の投稿によって重大な精神的苦痛を被っただけでなく、選挙運動やその後の日常的な政治活動においても、投稿の影響を受けたと推測される人物から執拗な攻撃を受けたと訴えている。
このような行為が、公職への立候補権を侵害する違法なものであり、トランスジェンダーを含む多様な人々の政治参加を阻害する深刻な問題であると指摘している。
河上氏の経歴と法的性別変更
河上りさ氏は、出生時には男児として届け出られたが、22歳となる2005年に性同一性障害特例法に基づき、法的な性別を男性から女性へと変更した。性別変更前から20年以上にわたり、一貫して女性として社会生活を送ってきた経歴を持つ。
2025年に実施された島本町議会議員選挙において、トランスジェンダーであることを明かして立候補し、見事当選を果たしたことで注目を集めていた。
提訴後の記者会見でのコメント
訴訟提起後に開かれた記者会見で、河上氏は「トランスジェンダーが立候補することへの集中的な攻撃は、公職に立候補する権利を侵害するという点で極めて悪質で違法だ。ダメなものはダメだとこの裁判で明確に示したい」と述べ、差別的言動に対する断固たる姿勢を示した。
この裁判は、SNSを介した誹謗中傷が現実の政治活動や個人の尊厳に与える影響について、司法の場で議論される重要なケースとなる見込みである。



