認知症抑制に向けた全国規模の実証研究がスタート
国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は、2026年4月から認知症や軽度認知障害(MCI)の抑制を目的とした大規模な実証研究を開始します。この取り組みでは、全国20の市町に住む住民を対象に、認知機能の改善を図るプログラムへの参加を呼びかけ、その効果を2年間かけて詳細に検証します。最終的には、得られた知見を基に全国的な展開を目指す方針です。
東海地方を中心に10市町が参加
参加自治体のうち半数にあたる10市町は、大府市や岐阜県高山市、三重県いなべ市など東海3県が占めています。これにより、地域特性を考慮した効果的な研究が期待されます。各市町では、60歳から80歳で高血圧または高血糖の状態にある人を40人ずつ募集する予定です。
有酸素運動と脳トレを組み合わせたプログラム
参加者は、週に1回、90分間の教室に分かれて活動します。具体的には、有酸素運動を行いながら「脳トレ」と呼ばれる認知訓練を実施したり、健康目標について話し合ったりするプログラムが組まれています。このような複合的なアプローチを通じて、認知機能や健康寿命への影響、さらには医療費や介護費用の抑制効果などを定期的に測定し、データを収集します。
過去の研究で効果を確認
今回の実証研究に先立ち、2019年から2023年にかけて行われた先行研究では、同様のプログラムによって認知機能の維持や改善に一定の効果が確認されました。この成果を踏まえ、より科学的で標準化された予防・抑制方法の確立を目指しています。
国立長寿医療研究センターの桜井孝研究所長は、「科学的根拠に基づいた標準的な認知症予防や抑制の方法を確立し、広く社会に普及させたいと考えています」と述べ、研究の意義を強調しました。この取り組みが、高齢化社会における健康課題の解決に貢献することが期待されます。



