三重県名張市の障害者支援施設で利用者が転倒死、伊賀市が虐待と認定
三重県名張市の社会福祉法人「名張育成会」が運営する障害者支援施設において、2023年9月に同県伊賀市の男性利用者が転倒後に死亡する事故が発生し、伊賀市がこの事案を虐待と認定していたことが明らかになった。同会が公式ホームページで公表した情報によると、この認定は適切な支援が行われなかったことを理由とするものだ。
事故の経緯と市の対応
ホームページの記載によれば、事故は2023年9月22日に起きた。男性利用者が施設内で転倒し、救急搬送されたものの、同日深夜に亡くなったという。伊賀市は同年12月、施設が適切な支援を怠ったとして、「放棄・放置(ネグレクト)」に該当する虐待と認定した。これを受けて、市は名張育成会に対して再発防止のための具体的な対策を取るよう指示を出した。
名張育成会はこれに対応し、弁護士を含む外部委員を加えた虐待防止委員会を設置。安全管理体制の見直しや再発防止策に取り組み、2025年4月には伊賀市から「不適正さが解消された」との通知を受けたとされている。法人側は「転倒事故とご逝去の事実に真摯に向き合い、再びこのような事故が起きないよう努力を重ねる」とコメントしている。
関係機関の反応と今後の課題
伊賀市は取材に対して、虐待認定を行った事実を認めた。また、施設を指導監督する立場にある三重県は「かなり重大な案件で遺憾だ。再発がないように指導していく」と述べ、事件の深刻さを強調するとともに、今後の監視強化を約束した。
この事故は、障害者支援施設における安全対策の重要性を改めて浮き彫りにした。名張育成会は改善策を実施したものの、地域社会では同様の事態が繰り返されないか懸念の声が上がっている。福祉現場における虐待防止と利用者の安全確保は、継続的な課題として注目される。
伊賀市と三重県は、今後も施設の運営状況を注視し、必要に応じて指導を続ける方針を示している。利用者や家族の信頼回復に向けて、透明性の高い対応が求められるだろう。



