群馬大病院、電子カルテ情報をスマホで閲覧可能に 医療事故の教訓生かす
群馬大病院、電子カルテ情報をスマホで閲覧可能に

群馬大学医学部附属病院(前橋市)は、検査結果や医師の診療録といった電子カルテ情報を、患者がスマートフォンで自由に閲覧できる新たなサービスを提供している。この取り組みは、2014年に同病院で発覚した医療事故を教訓とし、患者側に正確な情報を提供することで医療の透明性を高めることを目的としている。

サービス開始の背景と内容

サービスは、医療情報サービスを手がける「PSP」(東京)と連携し、同社のアプリ「NOBORI」を活用して3月から開始された。アプリでは、通院日や入院日の履歴、磁気共鳴画像装置(MRI)の検査画像、薬の処方記録などが確認できる。医師の診療記録や看護記録、理学療法士・作業療法士の記録を含め、ほぼ全ての診療情報が閲覧できる事例は珍しいとされる。ただし、手書きの図など、アプリ上で共有できない情報については、今後技術的な問題解決に取り組む予定である。

期待される効果とメリット

同病院は、この取り組みにより「患者が診療経過を同時進行で把握することで、治療への主体的な参加が促される」と期待を寄せている。情報の閲覧によって疑問点が明確化され、診察時間に密度の高い対話が可能になるほか、離れて暮らす家族との詳細な情報共有ができるメリットもある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

これまでの経緯と課題

同病院では2019年から、院内に設置された専用端末で診療記録の情報提供を行ってきた。利用者の9割以上から「病気への理解が深まった」と好評だった一方、時間の制約などが課題として残っていた。

端末利用と同様に、アプリでの閲覧には担当医の判断が事前に必要となる。これは、病状や家族の状況などが詳細に記載され、本人や家族が知りたくない情報が含まれている場合があるためである。また、18歳未満の患者は、親権者と本人の意思に食い違いが生じる可能性などを考慮し、サービスの対象外としている。

アプリでの利用登録後、病院窓口で本人確認を行うことで利用が可能となる。28日時点で583人が利用しており、おおむね好評だが、手続きの簡素化が今後の課題とされている。

医療事故からの教訓

同病院では2014年、腹腔鏡を使った肝切除手術を受けた患者8人が死亡していたことが発覚した。調査報告書では、正確な情報提供を通じた患者中心のチーム医療の実現が求められていた。今回のサービスはその教訓を生かした取り組みといえる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ