医療的ケア児の災害時対応を考えるイベント、さいたまで開催
たん吸引などの医療的ケアが日常的に必要な「医療的ケア児」とその保護者らに防災の備えを考えてもらうイベントが、さいたま市岩槻区の医療型障害児入所施設「カリヨンの杜」で開催されました。このイベントは、同施設などが主催し、ケア児や保護者ら約100人が参加しました。
参加者たちは、火災時の避難方法や非常食の作り方を実際に体験しながら学びました。医療的ケア児は自力での避難が難しく、緊急時の移動や避難場所での生活には周囲の支援が必要となるため、こうした訓練の重要性が改めて確認されました。
疑似火災体験で避難方法を実践
会場では、長さ約5メートルの透明なトンネルにミストを充満させ、擬似的な火災現場を再現しました。スタッフが「煙は高い所に上るので、低い姿勢で移動してください」と声をかける中、保護者たちはしゃがみながらケア児が乗った車椅子を押し、トンネルをくぐり抜けました。
急性脳症の後遺症で手足などに障害があるケア児の母親は、「しゃがむと車椅子で前が見えず、初めての場所での火災はパニックになりそうだ」と感想を述べました。イベントの内容を提案した防災士の斎藤朝子さん(52)は、「ケア児の避難は通常より時間がかかる。自身に合った備えを進めてほしい」と強調しました。
非常食作りも体験
非常食作りのコーナーでは、つぶした「じゃがりこ」にお湯やマヨネーズをかけて食べやすくする方法などが紹介され、参加者は実際に調理して試食しました。こうした工夫により、普段の食事が難しい状況でも栄養を摂取できるようになります。
このイベントは、医療的ケア児とその家族が災害時に適切に対応できるよう、実践的な知識と技術を身につける貴重な機会となりました。



