世界禁煙デー、北海道で受動喫煙防止対策が加速…路上規制を加熱式たばこにも拡大
世界禁煙デー、北海道で受動喫煙防止対策が加速

5月31日は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」です。北海道内では、喫煙率が全国平均を上回る状況が続く中、自治体による受動喫煙防止のための施策が加速しています。路上喫煙の規制強化や、加熱式たばこへの対象拡大、さらには子どもの受動喫煙リスクを測定する新たな試みなど、多角的な対策が進められています。

北海道の喫煙率は全国平均より高い

厚生労働省の調査によると、2022年の道内の喫煙率は男性が28.1%(全国平均25.4%)、女性が13.2%(同7.7%)と、男女ともに全国平均を上回っています。明確な理由は不明ですが、喫煙率の高い地域では受動喫煙のリスクも相対的に高まるとされています。たばこの煙には発がん性物質など多くの有害物質が含まれ、肺がんや脳卒中などの健康被害を引き起こす危険性があります。特に副流煙には有害物質が多く含まれ、受動喫煙により年間約1万5000人が死亡しているとの推計もあります。

札幌市、喫煙制限区域を拡大へ

札幌市では2005年にポイ捨て防止条例が施行され、北7条~南4条、西1~4丁目のエリアが喫煙制限区域に指定されました。路上での歩きたばこや喫煙所以外での喫煙が禁止され、巡回指導員が違反者から過料1000円を徴収します。市事業廃棄物課によると、2025年度の違反は51件で、過去21年間で最少となりました。

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一方、制限区域外の創成川周辺やススキノ地区では路上喫煙者が目立つため、市の検討会では制限区域を南9条、西7丁目まで広げ、創成川公園と大通公園の全域を含める拡大案を検討しています。2027年夏までに拡大する予定で、加熱式たばこも規制対象に加えるほか、指導員を増員して取り締まりを強化する方針です。

また、「北海道ボールパークFビレッジ」がある北広島市も、2023年の施設開業に合わせ、JR北広島駅周辺と駅から同施設までの主要道路での喫煙を制限しています。

美唄市、5歳児健診で尿検査を導入

美唄市は2020年に受動喫煙防止条例を改正し、加熱式たばこや電子たばこも規制対象としました。妊産婦や子どもがいる室内や車内での喫煙制限に加え、学校や保育所、公園の敷地から100メートル以内の路上での喫煙も制限しています。

さらに、市は今年度から始まる5歳児健診で、ニコチンの摂取量を測定する尿検査を行い、受動喫煙の影響を調べる独自の取り組みを開始します。市健康推進課は「子どもがどれくらい受動喫煙のリスクにさらされているかを数値化することで、対策に役立てる」と説明しています。

日本禁煙学会の評議員を務める井門内科医院(美唄市)の井門明院長(循環器内科)は「受動喫煙は妊産婦や子どもへの健康リスクが特に高い。喫煙場所を限定する分煙の取り組みはもちろん、子どもの頃から喫煙のリスクを啓発する取り組みが必要」と述べています。

三次喫煙への配慮も広がる

受動喫煙の防止に加え、近年は呼気や衣服、部屋などに残留したたばこの有害物質が周囲に悪影響を与える「三次喫煙」への配慮も広がっています。喫煙後しばらくは喫煙者の肺に有害物質が残り、呼気などを通じて空気中に広がるリスクがあります。衣服や髪の毛にも有害物質が残るため、三次喫煙により目の痛みやせき、頭痛、吐き気などの症状を訴える人もいます。

イオン北海道(札幌市)は2021年から、利用客や従業員間の受動喫煙・三次喫煙の防止に取り組んでいます。道内のイオン系列全店舗の従業員を対象に、就業時間内や敷地内の禁煙に加え、勤務開始45分前までに喫煙を終えるルールも導入しています。

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