白血病再発で視覚障害に、36歳女性が語る夫への思いと闘病の軌跡
白血病で視覚障害の36歳女性、夫への思いと闘病語る (08.03.2026)

白血病再発で視覚障害に、36歳女性が語る夫への思いと闘病の軌跡

三重県亀山市に住む中川桃子さん(36)は、白血病の再発により視覚障害となった。寛解から5年半を経た2017年8月、夫の大樹さん(37)と結婚してわずか3か月後のことだった。幻覚や視力喪失など、次々と襲いかかる体の異変に耐え続けた闘病生活を振り返る。

結婚直後の再発、母の言葉が背中を押す

藤田保健衛生大学病院(現・藤田医科大学病院、愛知県)での治療が再開された時、桃子さんは複雑な心境だった。「覚悟というより、有無を言わせず治療に向かうしかなかった」と語る。母から「大ちゃん(大樹さん)を残して死ねへんやろう」と言われ、「ほんまやなあ」と返したという。「ざっくばらんな会話でしたけどね」と笑顔で振り返る。

結婚式は当初5月か8月の予定だったが、12月に婚約し、5月に挙式した。「この時は体調も良かったし、1回目も大学の単位を取り終えた後。2回とも『不幸中の幸い』のタイミングだった」と、前向きな姿勢を見せる。

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幻覚に襲われた入院生活、医学の力に感動

藤田医科大学病院に転院した頃は意識がもうろうとしていた。採血時に「お寺にいる感覚」があり、夫に「なんでお寺におるの?早く帰ろう」と迫った。車いすで放射線治療に向かう際には、廊下にお花畑が見える幻覚がつきまとった。

入院直後から、腰椎穿刺で脳脊髄液を抜き、抗がん剤を入れる治療を何度も繰り返した。「背中を丸めて骨と骨との間に注射針を刺す髄注はつらい治療だった」と振り返る。しかし、白血病の細胞が減り、脳圧が下がって楽になる過程で「医学はすごいと思った」と語る。

視力喪失の衝撃、看護師経験が生きた気づき

体力の限界で寝たきりだったが、治療効果が出始めた9月末頃、意識がクリアになるにつれ「えっ!なんだか見えないぞ」と視力の異常に気付いた。医師の診断により、白血病の細胞が増殖して視神経を圧迫し、萎縮したことが判明。「視神経がぺちゃんこで元には戻らない」と言われた。

4歳から憧れ、看護師として働いた経験は、闘病生活に大きな影響を与えた。ナイチンゲールの伝記に感動し、目標としてきた医療現場での体験は重い。「なんでこんなにつらい思いをしながら治療を受け、生きていかなければいけないのか」と自問したこともある。しかし、「みんながみんな、絶対に病を治したい、絶対に生きたい、という患者さんばかりでないことも学んだ」と、多様な患者の思いに気付いた。

夫への愛情を支えに、前向きな歩みを続ける

昨年12月には、三重県松阪市で開催されたみえ松阪マラソンの健康ウォーク(7キロ)に夫と共に参加。雨の中でも歩き通し、夫婦の絆を深めた。視覚障害となった後の葛藤や生活の立て直し、人生目標の設定については、改めてインタビューが予定されている。

中川桃子さんは現在、「誰もが暮らしやすい共生社会」を目指すユニバーサルデザイン・アドバイザーとして活動。小中高校や大学、地域などで実体験を語る講演が好評だ。「あなたに今、何ができるか考えてほしい」というメッセージを伝え続けている。

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