物価高と金利上昇で奨学金返済が深刻化、弁護士らが23日に電話相談
物価高と金利上昇で奨学金返済が深刻化、弁護士らが23日に電話相談

物価や金利の上昇により、奨学金の返済に困難を感じる人が増えているとして、弁護士らで構成される「奨学金問題対策全国会議」が23日、全国一斉のホットラインを開設し、電話相談を受け付ける。この取り組みは、日本学生支援機構が貸与する有利子の奨学金利用者を主な対象としているが、奨学金全般に関する相談にも対応するという。

奨学金金利の急上昇が返済負担を増大

日本学生支援機構の第二種(有利子)奨学金では、返済利率は「貸与終了月」の利率が適用される。しかし、全国会議によると、この利率が近年急激に上昇している。上限は3%に設定されているが、2026年4月時点の利率は2.722%(利率固定式)に達しており、2021年4月の0.268%(同)と比較すると、実に10倍以上の水準となっている。

全国会議の試算によれば、第二種奨学金で月額10万円を大学4年間借り入れ、卒業後20年間で返済する場合、2026年3月卒業と4年前の卒業とでは、返済総額に100万円以上の差が生じるという。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

物価上昇も若者の家計を直撃

さらに、物価上昇も大きな影響を与えている。総務省が4月に発表した2026年3月の消費者物価指数(2020年=100)は総合指数で112.7となり、前年同月比1.5%の上昇を記録した。

全国会議の共同代表を務める武蔵大学の大内裕和教授(教育社会学)は、「入学時に想定していた利子の目安が、実際の返済時には大幅に増加する事態が発生している」と指摘。その上で、「物価変動の影響を除いた実質賃金も低下傾向にあり、奨学金返済の負担が重くのしかかり、若者の貧困を助長している」と警鐘を鳴らしている。

電話相談の詳細

ホットラインは23日午後1時から5時まで開設される。電話では弁護士や司法書士などの法律専門家が対応する。当日の連絡先は050・3668・8172。

このニュースに関連して、奨学金問題を専門に扱う団体や教育関係者からは、より抜本的な制度改善を求める声も上がっている。特に、利率の上昇に歯止めをかけるための政策や、返済額の上限設定、あるいは所得連動型返済制度の拡充などが議論の俎上に上っている。

また、物価高騰が続く中で、奨学金返済に加えて生活費のやりくりに苦労する学生や若年層も少なくない。専門家は、返済に困った場合は一人で悩まず、早めに相談機関を利用するよう呼びかけている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ