福島第一原発デブリ回収の人材育成拠点、双葉町に2029年まで設置へ 米廃炉会社が計画
福島原発デブリ回収人材育成拠点、双葉町に2029年設置へ (16.02.2026)

福島第一原発デブリ回収の専門人材育成拠点、双葉町に2029年まで設置へ

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業において、米国の廃炉関連会社が、溶融燃料(デブリ)の取り出しに携わる専門人材を育成する拠点を2029年までに福島県双葉町に設置する方針を固めました。2037年以降に本格化するデブリ取り出し作業を見据え、将来世代を含めた専門的な人材を継続的に育てる狙いがあります。

米アメンタム社が拠点設置を計画

専門人材の育成拠点を開設するのは、米バージニア州に本拠を置くアメンタム社です。同社は東京電力と協業契約を結んでおり、廃炉計画の進行を支援しています。アメンタム社は廃炉の計画や工程の策定・管理などを担い、約80か国に5万3000人以上の従業員を擁する大手企業です。

同社はこれまで、放射性物質汚染が起きた英国セラフィールドの原子力施設や、事故の国際評価尺度が福島第一原発と同じ「レベル7」だったウクライナのチョルノービリ原発などで、廃炉に向けた技術支援を担当した実績があります。

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デブリ取り出しの遅れと人材育成の必要性

東京電力は2051年の廃炉完了を目指しており、約4000~5000人が作業に従事しています。デブリの本格的な取り出しについては、当初は2030年代初頭としていた開始時期を、昨年、2037年以降に先送りすることを決定しました。原子炉建屋に隣接する放射線量の高い建物の解体などに時間がかかるためで、当初計画から大きく遅れることになりました。

大量のデブリが残る原子炉建屋内は高線量であるため、現場で訓練する余地はほとんどありません。このため、外部で技術に習熟する拠点が強く求められてきました。廃炉作業に携わる作業員の約7割が福島県内在住者であることから、アメンタム社は福島第一原発が立地する同県双葉町に、育成拠点の設置を検討してきました。昨年10月には同町内に事務所を開設しています。

具体的な育成計画と国際的な知見の活用

アメンタム社は今後1~3年かけて建設する研修施設で、デブリの取り出しなどに使う遠隔装置の操作やデジタル技術の活用方法といった専門的な教育を行います。同社は英国セラフィールドの原子力施設の廃炉で育成拠点を設けており、効果を上げた具体例を双葉町の拠点でも共有し、熟練した技能を持つ作業員を継続的に養成する計画です。

アメンタム社のローレン・ジョーンズ上級副社長は「福島での極めて重要な任務であり、東京電力を支援するため地元の研究機関と協力し、若手の専門家や将来のリーダー候補を育成したい」とコメントしています。

東京電力は取材に対し、「アメンタム社と今後も連携を深化させ、廃炉に向けた取り組みを着実に進めていく」としています。

デブリの現状と課題

デブリとは、炉心溶融(メルトダウン)によって原子炉内の核燃料が溶け落ち、コンクリートなど内部構造物と混ざって固まったものを指します。福島第一原発事故では、1~3号機内に推計約880トンが残っています。東京電力はこれまで試験的な取り出しを2号機で2回実施しましたが、回収したデブリは合わせて0.9グラムにとどまっています。デブリは人が近づけば数分で死に至るほど強い放射線を放ち続けており、その取り扱いには高度な技術と専門知識が求められています。

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