群馬大病院が小児科医師を2病院に派遣 2026年度から地域医療の充実へ
群馬大学医学部付属病院(前橋市)は、2026年度から原町赤十字病院(東吾妻町)と高崎総合医療センター(高崎市)に小児科の常勤医を各1人ずつ派遣することを正式に決定しました。この措置は、県内の医師偏在の是正を議論する「ぐんま地域医療会議」からの提案を受けて実施されるもので、地域医療の格差解消に向けた重要な一歩となります。
吾妻圏域の小児医療「入り口」を確保
県医務課などの関係機関によりますと、吾妻郡6町村で構成される吾妻保健医療圏には15歳未満の子どもが約3,600人いる一方で、小児科の常勤医が不在の状態が2022年から継続しています。さらに、北毛地域の中核を担う県立小児医療センター(渋川市)が前橋市内への移転を予定していることから、圏域内で初期対応を担う医師の確保が急務となっていました。
群馬大病院の斎藤繁院長は10日に県庁で行われた会見で、「医療の高度化が進む中、全ての医療が地域で完結するわけではありません」と述べた上で、「患者が来院した際にスムーズに対応できるファーストタッチの医師が存在する状況は、社会全体にとって極めて重要です」と派遣の意義を強調しました。
西毛地域の小児救急体制を下支え
一方、西毛地域では小児救急医療の輪番体制の維持が大きな課題となっています。県内の小児救急は4地域に分けて24時間受け入れる輪番制を採用していますが、西毛地域は人口に対する病院数が少なく、非当番の医師が対応せざるを得ない場面も発生していました。
高崎総合医療センターへの小児科常勤医の派遣により、同センターの小児科医師数が11人から12人に増加します。これによって、西毛地域の小児救急輪番体制をより安定したものにすることが期待されています。
この取り組みは、単なる医師の移動ではなく、地域全体の医療ネットワークを強化する包括的な施策として位置付けられています。特に、人口減少や高齢化が進む地方において、小児医療へのアクセスを確保することは、地域の持続可能性を支える基盤整備として不可欠な要素です。
群馬県では今後も、医師偏在の是正と地域医療の質向上に向けた取り組みを継続し、県民全体が安心して医療を受けられる環境の構築を目指していく方針です。



