設立20周年を迎えた認定NPO法人「あさがお」が記念冊子を発行、高齢者・障害者の権利擁護活動を振り返る
NPO法人「あさがお」設立20周年記念冊子発行、権利擁護活動を紹介

設立20周年を記念し、活動の歩みを冊子にまとめる

大津市浜大津に拠点を置く認定NPO法人「あさがお」が、設立から20周年を迎えたことを記念して、活動の軌跡をまとめた冊子を作成しました。この冊子では、同法人が長年にわたり取り組んできた高齢者や障害者の権利擁護活動を、豊富な写真やイラストを交えて紹介しています。現在、冊子は同NPOや大津市障害福祉課で閲覧可能となっています。

成年後見制度の普及を目指し、専門機関として設立

「あさがお」は2005年2月に設立されました。背景には、2000年に介護保険制度と共に始まった成年後見制度の手続きの煩雑さがありました。介護保険により、介護サービスは行政が決める「措置」から本人の「契約」で選べるようになりましたが、その一方で、高齢者や障害者が不必要・不適切な契約を迫られるリスクも懸念されました。この課題に対応するため、成年後見制度が導入されましたが、当時の滋賀県内には専門の相談機関がなく、利用ハードルが高い状況でした。

そこで、有志の大津市職員や大学教員らが「相談を受けるNPOが必要だ」と結成したのが「あさがお」です。当時、高齢者や障害者の権利擁護を目的とした団体は全国的にも珍しく、地域のニーズに応える先駆的な存在として活動を開始しました。

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法人後見を実施し、組織的な支援体制を構築

成年後見は通常、専門家が個人で行うことが多いですが、「あさがお」は組織で対応する「法人後見」を実施しています。後見人候補を紹介する司法書士会などと連携する一方、収入の少ない人を中心に同NPOが受任し、担当者を決めて日常的な相談に応じています。預貯金の入出金などは事務職員らが複数でチェックする体制を整え、透明性と信頼性を確保しています。

現在、社会福祉士や精神保健福祉士ら約20人が勤務し、県や大津市の委託を受けて、成年後見制度に加え、虐待相談や福祉、保健医療など幅広い分野での相談を受け付けています。具体的には、「高齢で一人暮らし。今後、身内にも頼れずどうしたらいい」や「自分のお金を家族が管理し、使わせてもらえない」といった声に応え、行政や社会福祉協議会と連携しながら対応を進めています。

記念冊子で活動事例や職員の思いを紹介

冊子では、こうした活動の経緯や具体的事例が詳しく紹介されています。例えば、「Bさんとは毎月、預貯金残高を確認しながら、生活費を検討します。事務担当に出金してもらい、どう使うのかBさんと考えます」といった成年後見の実践例が盛り込まれています。また、職員が「楽しんでもらいたい」と施設で読めない雑誌を面会時に持参したり、「笑顔を見られたときにやりがいを感じます」と語る姿も取り上げられ、人々に寄り添う支援の重要性が強調されています。

冊子は今年1月に約700部作成され、関係団体に配布されました。理事長の尾崎史さん(67)は、「20年続けられて、職員や支援者に感謝している。近年は身寄りのない人が増えており、一層の課題が出てくるはず。困った人の相談に乗り、地域で暮らせるためにみんなで考え続けていきたい」と今後の意気込みを語っています。

成年後見の依頼は「あさがお」の法人本部(077-522-0799)で、各種相談は同NPOが運営する市権利擁護サポートセンター(077-523-7558)まで受け付けています。冊子はイラストや写真を多用し、活動内容を分かりやすく紹介する工夫がなされています。

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成年後見制度とは

成年後見制度は、認知症や障害などで判断能力が十分でない人の権利を守るため、後見人が代わりに財産管理や契約などを行う制度です。後見人は、家庭裁判所に申し立てると、司法書士ら専門家や親族らから決定されます。この制度は、高齢化社会において重要な役割を果たしており、「あさがお」のような組織的な支援がその普及に貢献しています。