兵庫県がパラスポーツ新拠点整備を本格議論、世界大会の機運高まり再始動
兵庫県がパラスポーツ新拠点整備を本格議論

兵庫県がパラスポーツ新拠点整備を本格議論、世界大会の機運高まり再始動

兵庫県は、新たなパラスポーツ拠点の整備に向けた議論を本格的に進めています。神戸市で開催された世界パラ陸上競技選手権大会(2024年)やデフリンピック東京大会(2025年)など、パラスポーツの機運が高まる中、競技者が増加し、既存の拠点施設である「県立障害者スポーツ交流館」(神戸市西区曙町)が手狭になっていることが背景にあります。県は9月頃をめどに基本構想を取りまとめる方針を固めました。

過去の凍結から再開へ、機運の高まりが後押し

県は2018年11月に新拠点整備に向けた基本構想を策定していましたが、整備予定地での埋蔵文化財調査の必要性や新型コロナ禍の影響を受け、2022年に計画を凍結していました。しかし、世界パラ陸上競技選手権大会の開催によりパラスポーツへの注目度が上昇し、県内のパラスポーツ大会や関連イベントの参加者数は、2023年度の2万9530人から2024年度には3万6439人に増加しました。

既存の県立障害者スポーツ交流館のアリーナでは、車いすバスケットボールなどが可能ですが、利用率は2024年度で99.2%に達し、イベントや日常の練習での予約が取りにくい状況が続いています。これらを踏まえ、県が設置した有識者による検討会が2026年1月に「早期のパラスポーツ拠点の整備が望ましい」とする報告書を斎藤元彦知事に提出しました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

検討委員会の設置と財政支援の要望

斎藤知事が2月議会で検討再開を表明すると、3月には新たな検討委員会が設置され、3月18日からパラ競技者らの意見を取り入れながら本格的な議論が始まりました。4月9日には、自民党県議団が財務省やスポーツ庁などに対し、交付金の配分といった財政支援を求める要望書を提出しました。

谷口俊介幹事長は「パラスポーツは障害者の生きがいにつながる。兵庫がその発信の中心地になれば」と述べた上で、「ただ、県財政が逼迫しているので、国の支援が不可欠だ」と強調しました。委員会では今後、ネーミングライツの導入など民間との連携についても検討を進める予定です。

競技者からの期待と今後の展望

委員を務める車いすバスケットボール選手の久保秀男さん(70歳)は、バイク事故で脊髄損傷の大けがを負った経験から、パラスポーツの重要性を語ります。「パラスポーツは、サポートしてくれる人と出会うきっかけになるし、体の機能回復にもよい。新拠点でスポーツに取り組む障害者が増えればうれしい」と期待を寄せています。

県は、パブリックコメントを実施した上で、9月頃に新しい基本構想を策定する方針です。県ユニバーサル推進課の担当者は「パラスポーツの振興を通して、障害者の社会参加に向けた支援に取り組みたい」と話しており、新拠点整備が地域の活性化にもつながることが期待されています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ