子ザル「パンチくん」のSNS人気爆発、市川市動植物園に国内外から観光客が殺到
子ザル「パンチくん」人気爆発、市川動植物園に国内外から観光客

子ザル「パンチくん」のSNS人気爆発、市川市動植物園に国内外から観光客が殺到

千葉県市川市動植物園で飼育される子ザル「パンチ」の人気が過熱している。きっかけは、園が2月に交流サイト(SNS)に投稿した、オランウータンのぬいぐるみを抱くパンチの写真だ。この投稿は瞬く間に国内外に拡散され、連日多くの来園者が押し寄せる事態となっている。もともとのどかな雰囲気が魅力だった「小さな園」に起きた異変を詳しく取材した。

「今までなかった」ほどの人だかり、外国人観光客も多数

今月上旬、餌の時間になると、サル山の周りは隙間がないほどの人だかりに包まれた。外国人の姿も多く見られ、スマートフォンやカメラが一斉にパンチに向けられた。近所に住み、小さいころからよく訪れているという会社員の柿崎芽衣さん(24)は「こんなに人がいることは今までなかった」と驚きを隠さない。

パンチは昨年7月に生まれた雄のニホンザルで、「ルパン三世」原作者のモンキー・パンチさんにちなんで名付けられた。生後間もなく母親が育てられなくなり、人工哺育となった経緯を持つ。ニホンザルの赤ちゃんは母親にしがみつく習性があることから、飼育員たちがいろいろ試した結果、オランウータンのぬいぐるみが最適だった。母親代わりとして身を寄せながら育ってきたのである。

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職員の願いは群れへの復帰、SNS拡散で来園者急増

職員たちの最大の願いは、パンチがサル山の群れに戻り、自然な生活を送れるようになることだ。生後3カ月ごろから他のサルと柵越しに触れ合わせ、生後4カ月を過ぎると飼育員と一緒にサル山で過ごすなど、群れに戻るための準備を慎重に進めてきた。

今年1月19日にサル山での生活を始めたパンチだが、2月5日にぬいぐるみに寄り添う姿をSNSに投稿すると、その人気は一気に爆発。以降、週末には例年の2倍以上となる約8000人が来園し、その勢いは止まらない。駐車場は満車で、入り口には長蛇の列ができる日も珍しくない。飼育員個人への注目も過熱し、本来業務に支障が出るケースも発生している。

「切り取り動画」の誤解に悩む園、冷静な応援を呼びかけ

特に園が気がかりにしているのは、来園者による「切り取り動画」の投稿だ。群れのサルがしつけやルールを教えるためにパンチに起こす行動が、SNS上で「いじめている」と誤解され、心配や抗議の電話・メールが国内外から殺到した。米国在住のターミー・セイローズさん(65)のように、「TikTokで他のサルに受け入れられないパンチを見て応援しに来た」という観光客も少なくない。

しかし、パンチは群れの生活に徐々に慣れ、ぬいぐるみを持つ時間も減ってきている。飼育員に毎回くっついていた餌の時間も、1匹で食べる様子が見られ、他のサルとの触れ合いも増えてきた。同園の安永崇課長(52)は「パンチを一番心配しているのは職員や飼育員です。一人前のサルとして群れで生きられるように慎重に気を使いながら、必要な措置もとっていきます。みなさんも応援しつつ冷静に見届けていただければ」と語る。

パンチの頑張りを信じて見守ることが、私たちにできる最大のエールなのかもしれない。SNSの拡散力がもたらした空前のブームの中で、小さな命の成長を温かく支える姿勢が求められている。

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