福岡県が保育施設の虐待防止強化、第三者アドバイザー巡回で「不適切保育」根絶へ
福岡県、保育施設虐待防止に第三者アドバイザー巡回を導入

福岡県が保育施設の虐待防止対策を強化、第三者アドバイザー巡回事業を開始

福岡県は新年度、保育施設における虐待防止を強化するため、「STOP不適切保育!」をスローガンに掲げた新たな取り組みを開始する。この事業では、第三者目線で虐待の芽を事前に摘むことを目的としており、関連費用として新年度当初予算案に1900万円を計上した。

園長経験者らが巡回アドバイザーとして現場をサポート

対策の柱となるのは、園長や保育施設長の経験者を「虐待未然防止巡回アドバイザー」として県内の保育所に派遣する事業だ。アドバイザーは、食事や排せつ、昼寝などの日常場面において、保育士が園児にかける言葉や態度をチェックし、適切な助言を行う。県子育て支援課は「保育経験者なので、現場の職員も相談しやすい環境を提供できる」と説明している。

アドバイザーは4人程度を配置し、年間約160施設を訪問する計画で、3年かけて県内の全保育施設を巡回する見込みだ。これにより、虐待リスクを早期に発見し、未然防止に繋げる狙いがある。

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背景には法改正と過去の虐待事件

この対策強化の背景には、昨年10月に田川市の私立保育園で発覚した不適切保育事件がある。同事件では、保育士10人が園児を殴る、嫌がる園児に無理やり食べ物を押し込む、虐待行為を放置するなどの行為が明らかになり、社会に衝撃を与えた。

また、昨年10月に施行された改正児童福祉法では、幼稚園や認可外保育施設を含むすべての保育施設において、職員による虐待を発見した場合の通報が義務化された。福岡県は、こうした法改正に対応し、より効果的な防止策を講じる必要性から、今回の事業を推進している。

追加対策と人材確保の取り組み

県は、虐待防止研修を全保育士対象に実施するほか、こどもの心のケアを担う臨床心理士の派遣も行う。さらに、新年度からは親の就労に関係なく未就園児を預けられる「こども誰でも通園制度」が始まることから、保育現場の人手不足が懸念されている。

これに対応するため、県は実技講習会の受講を条件に実技試験を免除し、登録後3年間は県内限定で働く「地域限定保育士」を導入。人材確保を図る方針で、当初予算案にはこの費用として1800万円を盛り込んでいる。

福岡県の一連の取り組みは、保育の質向上と虐待根絶に向けた重要な一歩として注目を集めている。

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