自死遺児調査で深刻な実態 社会の偏見「ある」が8割超、支援不足も浮き彫りに
自死遺児調査 偏見「ある」8割超 支援不足も深刻 (21.03.2026)

自死遺児を取り巻く厳しい現実 全国調査で偏見と支援不足が浮き彫りに

岡山県立大学(岡山県総社市)と一般社団法人リヴオンは3月21日、子ども時代に親やきょうだいを自殺で亡くした「自死遺児」を対象とした全国調査の中間報告を公表しました。調査結果によると、社会に自殺への偏見や差別が「ある」と回答した割合は驚くべきことに82%に達し、遺児たちが置かれた困難な状況が明らかになりました。

調査の概要と回答者の背景

この調査は昨年春からオンライン形式で実施され、これまでに71人分の回答を集計しています。調査対象は0歳から19歳の間に親やきょうだいを自殺で亡くした遺児で、回答時点で18歳以上、かつ死別から6カ月以上経過していることが条件となっています。最終的には500人の回答を目指して調査が継続されています。

死別後に経験した嫌なことの実態

死別後に嫌だったことを複数回答で尋ねたところ、最も多かった回答は「親や親戚からの『口止め』」で35.2%を占めました。次いで「大人が自分の感情や不安を聞かない」が29.6%と続き、遺児たちが感情を表現する機会を奪われている実態が浮かび上がりました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

これらの結果は、遺児たちが悲しみや苦しみを内に秘めざるを得ない環境に置かれていることを示しています。口止めによって、自殺という死因について話すこと自体がタブー視され、適切なグリーフケアを受ける機会が失われている可能性が高いのです。

支援情報の不足と実際の支援の欠如

さらに深刻なのは、死別後に支援を巡る情報提供が「なかった」との回答が60%に上った点です。実際に支援を受けられなかったという回答も50%に達し、遺児たちが必要なサポートにアクセスできない状況が広く存在していることが判明しました。

望む支援として最も多く挙げられたのは、「何でも話していい、聞いていいと伝えてほしい」という項目で、39人が選択しています。これは、遺児たちが安心して感情を表現できる環境を切実に求めていることを示しています。

調査の意義と今後の展望

今回の調査は中間報告の位置付けであり、今後も継続して実施される予定です。岡山県立大学の大倉高志准教授は、21日に大学で開かれた報告会で調査結果について説明し、自死遺児への理解と支援の重要性を強調しました。

自殺で家族を失った子どもたちは、悲しみや喪失感に加え、社会の偏見や差別、適切な支援の欠如という三重の苦しみを抱えている可能性があります。この調査が、自死遺児への社会的理解を深め、効果的な支援体制の構築につながることが期待されます。

特に、口止めという行為が遺児のメンタルヘルスに与える影響は大きく、専門家の間では早期の心理的介入の必要性が指摘されています。調査が完了すれば、より詳細な実態が明らかになり、政策提言や支援プログラムの開発に役立つ貴重なデータとなるでしょう。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ