柏市が独自に児童相談所を設置 2026年開設の複合施設で子育てから若者支援まで
千葉県柏市は、中核市として独自に児童相談所を設置し、2026年3月に複合施設「(仮称)こども・若者相談センター」を開設する計画を進めている。この施設は、子育て家庭や自立を目指す若者を継続的に支援することを目的としており、市の担当課は「全ての子どもや若者が気軽に相談や遊びに来られる場所を目指す」と話している。
中核市の特色を生かした独自の取り組み
児童相談所は、18歳未満の子どもに関する相談や虐待対応、一時保護などを担う専門の行政機関で、従来は都道府県や政令指定都市が設置していた。しかし、2016年6月の児童福祉法改正により、中核市での児童相談所設置が促進されることとなった。柏市はこの法律改正を背景に、独自の児童相談所設置を準備してきた。
市がこの取り組みを進める背景には、2019年に野田市で発生した小学4年生の栗原心愛さん(当時10歳)が親の虐待を受けて亡くなる事件がある。この事件では、虐待を訴えた心愛さんのアンケートをコピーして親に渡した小学校とともに、一時保護を解除するなどした児童相談所の対応が問題視された。県柏児童相談所が所管する柏市など5市の人口は計140万人と規模が大きく、市はよりきめ細かな対応を目指して独自の児童相談所設置を決断した。
複合施設で幅広い世代をサポート
施設は、昨年に閉館した青少年センター(同市十余二)の跡地に建設が進んでおり、鉄筋コンクリート3階建てで延べ床面積は約7120平方メートル。ユニバーサルデザインや省エネに配慮した設計で、開放的なデザインを取り入れながら、プライバシーが保護できる動線を確保している。建設費は約54億2千万円を見込んでいる。
児童相談所には一時保護所をはじめ、面談や心理的検査をするスペースを設ける。一般エリアには、未就学児や親同士が交流できる「はぐはぐひろば」、中学・高校生世代の居場所、カフェなどを整備する予定だ。さらに、児童養護施設や里親家庭などの「社会的養護」を離れ、困難に直面している若者、いわゆる「ケアリーバー」の支援にも力を入れ、相談に乗り、居場所をつくる方針である。
専門職員150人体制でスタート
市は、社会福祉士や児童心理司、保育士などの専門職を含む職員150人ほどの体制で施設をスタートさせる計画だ。児童相談所の業務は2025年2月に開始し、その他の施設は同年4月に開所する見込みである。
市こども相談センターの松下尚樹統括リーダーは、「市民にとって身近で、誰もが気軽に来られる施設にしていきたい。日ごろから、家庭との間で何でも相談できる関係が築ければ、児童虐待など問題が重篤化する前に支援につなげることができる」と語っている。この取り組みは、中核市としての特色を生かし、地域に根差した支援を実現する重要な一歩となることが期待されている。



