外国ルーツの生徒が3割を占める県立高校の挑戦
茨城県常総市にある県立石下紫峰高校では、昼休みの時間を活用したユニークな取り組みが行われている。全校生徒約450人のうち、実に3割が外国籍や日本との二重国籍を持つ生徒たちだ。彼らの出身地はフィリピンやブラジルをはじめ、18の国や地域にわたる。
国際色豊かなランチタイムの光景
2026年1月15日午後1時過ぎ、同校の教室では様々なスパイスの香りが漂っていた。おにぎりにチキンケバブ、野菜をココナツミルクで煮込んだフィリピンの伝統料理ギナタアンなど、多様な文化を反映したお弁当が並ぶ。この光景は、同校が設けた多文化共生ルームでのランチタイムの一コマである。
昨年11月に同校を訪れた記者は、この国際色豊かな昼休みの様子を目の当たりにした。外国籍の生徒たちを「ひとくくり」にせず、それぞれの文化的背景を尊重しながら交流を深める場として、このランチタイムが機能していることがわかる。
多文化共生ルームの役割
県立石下紫峰高校が始めた多文化共生ルームでのランチは、単なる食事の場ではない。異なる文化的背景を持つ生徒たちが自然に集まり、会話を交わすことで相互理解を深める重要な機会となっている。
日系フィリピン人の髙橋愛弓さんをはじめ、様々なバックグラウンドを持つ生徒たちが、それぞれの食文化を持ち寄りながら、学校生活の中での居場所を見つけている。この取り組みは、多様性を受け入れる教育環境の構築に向けた具体的な一歩と言える。
地域社会における意義
外国籍住民が増加する現代の日本社会において、学校教育現場での多文化共生の実践は極めて重要だ。同校の事例は、単に外国籍生徒の受け入れにとどまらず、彼らが持つ文化を学校全体の財産として活かす試みを示している。
昼休みという日常的な時間を活用したアプローチは、特別なプログラムではなく、自然な形での交流を促進する点で効果的である。生徒たちは、食事を共にしながら、言葉や習慣の違いを超えた関係を築いている。
このような取り組みは、多様性が当たり前となった社会で、次世代を担う若者たちが互いを尊重し合う姿勢を育む上で、大きな意味を持つだろう。県立石下紫峰高校の挑戦は、教育現場における多文化共生の可能性を具体的に示す事例として注目に値する。