元検事正の性的暴行事件で女性検事が提訴、検察の対応でPTSD悪化と主張
元検事正の性的暴行事件で女性検事が提訴、PTSD悪化 (17.02.2026)

元検事正の性的暴行事件で女性検事が提訴、検察の対応がPTSDを悪化させたと主張

2026年2月17日、元大阪地検検事正の北川健太郎被告(66)が準強制性交罪に問われている事件で、被害を訴える女性検事が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に今も苦しんでいるなどとして、北川被告や国などに対し、総額約8300万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に提訴しました。訴状は16日付で提出され、女性は17日に大阪市北区で記者会見を開き、検察組織の対応を厳しく批判しました。

「命が削られている」と涙声で訴える被害女性

会見で女性は、「命が削られている。検察は職員の尊厳を傷つけていることを自覚してほしい」と涙声で訴えました。彼女は2023年12月にPTSDと診断されており、事件後の検察の対応が症状を悪化させたと主張しています。具体的には、裁判員裁判の対象となる準強制性交致傷罪への起訴内容変更を地検に求めてきたものの、変更されず、十分な説明もなかったことが、心理的負担を増大させたと説明しました。

事件の経緯と検察内部の問題点

北川被告は、検事正在任中に酒に酔って抵抗できない状態の部下の女性検事に対し、自宅官舎で性的暴行を加えたとして起訴されています。2024年10月の初公判では罪を認めましたが、同年12月には「同意があると思った」と無罪を主張する方針に転じ、現在も期日間整理手続きが続いています。

女性はさらに、北川被告の秘書を務めていた副検事が「女性に非がある」と庁内で吹聴したと主張。検察幹部がこの副検事を止めず、女性と同じ部署からしばらく異動させなかったことなど、安全配慮義務違反があったとも訴えています。これにより、職場環境が改善されず、二次被害が生じたと指摘しました。

検察側の反応と今後の展開

北川被告側は「訴状が届いていないのでコメントできない」とし、大阪地検の上野正晴次席検事も同様に「コメントできない」と回答しています。この訴訟は、検察組織内部の不適切な対応が被害者に与える影響を浮き彫りにするケースとして、司法界や社会から注目を集めそうです。

事件は、権力を持つ立場での性的暴行と、組織的な対応の在り方に疑問を投げかけており、今後の裁判の行方が注目されます。女性の訴えは、単なる賠償請求を超え、職場の尊厳と安全確保の重要性を改めて問うものとなっています。