石破茂首相は28日、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市や珠洲市などを訪れ、復興状況を視察した。首相は被災した住宅や道路の復旧現場を回り、地元自治体の首長や住民から直接意見を聞いた。
首相、復興計画の進捗を確認
視察後、首相は輪島市内で記者団に対し、「被災地の復興は国の最優先課題だ。住宅再建やインフラ整備を加速するため、必要な支援をためらわずに実施する」と述べ、国の財政支援を強化する方針を改めて示した。
特に、仮設住宅から恒久住宅への移行や、海岸堤防の復旧工事の早期完了を重点項目に挙げた。首相は「被災者の生活再建と地域経済の再生を一体的に進める」と強調した。
地元自治体の要望
輪島市の坂口茂市長は、首相との会談で「復興には時間がかかる。国の継続的な支援が不可欠だ」と訴えた。珠洲市の泉谷満寿裕市長も「人口流出を防ぐため、雇用創出や子育て支援の拡充が必要だ」と要望した。
これに対し、首相は「政府として、自治体の声を十分に聞きながら、柔軟に対応する」と応じた。また、復興計画の工程表を年内に策定する方針を伝えた。
住民との対話
首相は避難所を訪れ、被災者と懇談した。高齢の女性から「早く元の家に戻りたい」との声が上がると、首相は「一日も早く安心して暮らせるように全力を尽くす」と約束した。
また、地元の漁業関係者からは「漁港の復旧が遅れている。生計が成り立たない」との切実な訴えがあった。首相は「水産業の再生も復興の柱として位置づける」と述べた。
今後の課題
専門家からは、復興には10年以上かかる可能性があるとの指摘も出ている。首相は「息の長い支援が必要だ」と認識を示し、政府内に復興推進本部を設置し、各省庁の連携を強化する方針を明らかにした。
今回の視察には、復興担当大臣や国土交通大臣も同行し、現地の課題を直接把握した。政府は今後、被災地のニーズに応じた予算配分を検討する。
能登半島地震は今年1月に発生し、死者は200人を超え、家屋の全半壊は約1万棟に上る。復興には巨額の費用が見込まれており、国の財政負担が焦点となっている。



