大野市長選告示迫る、人口減対策と未来像が争点に
大野市長選告示迫る、人口減対策と未来像が争点

大野市長選と市議補選(欠員1)が7日に告示される。人口減少が進む中、持続性のある魅力的な街づくりを実現できるのか。市政の現状と課題を報告する。

空き家マッチングで移住促進

岐阜県境に隣接し、約370人が暮らす市東部の和泉地区では、移住者を増やすため「空き家マッチングツアー」を21日に開催する。空き家の増加という課題を逆手に取り、物件見学だけでなく地域での生活を伝え、移住後のイメージを具体化する取り組みだ。2024年、2025年にも実施し、20~50歳代の5組10人が移住した。

ツアーを担当する和泉自治会生活チーム長の末永勝士さん(67)は「移住希望者からは『クロスカントリーの拠点が欲しい』『自由に太鼓を叩きたい』など様々な要望が寄せられている。対応するため、マッチング可能な空き家物件は多い方が良い」と話す。さらに「市全体の取り組みとして強力に情報発信する必要がある」と訴える。

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移住者の声をPR

市は移住・定住支援サイトで移住者へのインタビュー動画を公開。「インドア派だったが、大野に来てから山に登るようになった」「友達も親戚もいない土地で不安だったが、同年代の友達ができた」といった生の声を発信している。また、市内在住で県内の大学などに通う20歳までの学生の医療費を無償化する施策も実施。市全体で移住者増加が重要課題となっている。

市の支援制度を利用した移住者は、2023年度54人、2024年度61人、2025年度75人と、子育て世代を中心に増加。出生数も2023年110人、2024年116人、2025年119人と順調に増えている。市政策推進課の担当者は「子育て支援施策が評価され、選ばれている」と胸を張る。

中部縦貫道全通に期待

しかし、総務省が先月29日に発表した2025年国勢調査の速報では、市の人口(2025年10月1日現在)は2万7765人で、2020年の前回調査から11.3%減少。減少率は県全体の4.9%を大きく上回り、県内17市町の中で高浜町の11.5%に次ぐ落ち込みで、9市の中で最大となった。

そんな中、2029年春に予定される中部縦貫道の県内全線開通に注目が集まる。市中心部から岐阜・一宮ジャンクションまで車で約1時間40分と、現在より約30分短縮される。開通区間に含まれる和泉地区の末永さんも「地区が岐阜県の通勤圏に入る。ベッドタウンとなり、人が増える可能性がある」と期待を込める。

市中心部の七間通りで開かれる七間朝市は400年以上の伝統を持つが、日曜日の出店は約10店、平日は2~3店と減少。朝市出荷組合の永田信子組合長(76)は「歴史を途絶えさせないためにも朝市を盛り上げたい」と話し、縦貫道開通を機に「お客が増えてほしい」と切実に願う。

大野市は2005年に和泉村と合併し、面積は872.43平方キロと県内の自治体で最大。市域の87%を森林が占める。織田信長に仕えた武将・金森長近が築いた碁盤目状の城下町は現在も風情を残し、「北陸の小京都」とも呼ばれる。2023年8月には南六呂師地区が「星空保護区」に認定された。

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