福井工大、月探査船オリオンの電波受信に成功 国内大学唯一のNASA地上局として歴史的役割
福井工大、月探査船オリオンの電波受信に成功 NASA地上局として (10.04.2026)

福井工業大学、月探査船オリオンの電波受信に成功 国内大学唯一のNASA地上局として歴史的役割

福井工業大学あわら宇宙センター(福井県あわら市)が、米国主導の国際月探査「アルテミス計画」において、月の裏側に回った宇宙船オリオンからの電波を受信し、その航路を追跡することに成功しました。国内の大学で唯一、米航空宇宙局(NASA)に電波を受ける地上局を任されている同センターの成果は、日本の宇宙開発における重要な一歩として注目を集めています。

歴史的瞬間に立ち会った教員と学生の喜び

電波の受信に成功した教員や学生は、「歴史の一ページに携わることができて光栄」と喜びを語りました。最初の受信は、打ち上げ翌日の日本時間3日午前1時40分ごろに実現。約6万7千キロ離れた空間を飛ぶ宇宙船の電波を捉えた瞬間、センターで見守っていた約15人の教員や学生から歓声が湧き上がりました。

大学院1年の松井琉晟さん(22)は、「モニターに波形が見えた時はほっとした。半世紀ぶりの有人月探査船からの電波は特別感があった」と振り返り、この経験が自身の研究やキャリアに大きな影響を与えたと強調しています。

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直径13・5メートルのパラボラアンテナによる精密な追跡

福井工大あわらキャンパスには、直径13・5メートルのパラボラアンテナが設置されており、月軌道まで到達する人工衛星や探査機を追跡できる能力を有しています。NASAは今回、宇宙船の電波を地球上で受信する地上局を世界各国から募り、14カ国の企業や大学など34団体が参加。国内では福井工大と衛星通信事業者のスカパーJSATが選ばれました。

センターでは、電波が受信できる深夜から明け方にかけて連日観測を継続。オリオンは7日朝に月の裏側に回って地球から40万6771キロ離れた人類最遠点に到達し、この付近での電波受信にも成功しました。受信電波の周波数の変化から宇宙船の速度や位置を推定でき、取得したデータは11日の帰還後にNASAに提供される予定です。

今後の宇宙開発への期待と福井からの貢献

アルテミス計画は2028年までに有人の月面着陸を目指しており、月探査の本格化に伴い、通信が可能な地上局の役割は一層増すと予想されています。村田泰宏センター長は、「今回の電波受信の精度がNASAに認められれば、今後のプロジェクトに参画できる可能性がある」と期待を寄せています。

さらに、村田センター長は「福井から宇宙開発に携われることをアピールしていきたい」と語り、地域の技術力と人材が国際的な宇宙ミッションに貢献できる機会を拡大する意欲を示しました。この成功は、地方大学がグローバルな科学プロジェクトで重要な役割を果たす可能性を実証する事例としても評価されています。

福井工業大学の取り組みは、日本の宇宙開発史に新たな章を刻むとともに、教育と研究の現場が実践的な成果を生み出す力を示しています。今後のアルテミス計画の進展に伴い、同センターの活動がさらに注目を集めることが期待されます。

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