JAXA、H3ロケット6号機のエンジン燃焼試験で正常動作を確認 新形態で打ち上げ費用低減へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月9日、鹿児島県の種子島宇宙センターで3月に実施したH3ロケット6号機のエンジン燃焼試験において、正常な動作が確認できたと文部科学省の宇宙開発利用部会に報告しました。この試験結果は、同ロケットの開発における重要なマイルストーンとして位置付けられています。
新形態の6号機 補助ロケットなしでコスト削減目指す
今回試験が行われたH3ロケット6号機は、従来の形態とは異なり、脇に補助ロケットを装備しないシンプルな新形態を採用しています。この設計変更により、打ち上げに必要な部品数を減らし、全体の製造コストを抑えることが可能となり、打ち上げ費用の大幅な低減が期待されています。JAXAは、より経済的なロケットシステムの構築を目指し、この新形態の開発を進めています。
初回試験の課題を克服 加圧システムを改善
H3ロケット6号機の開発過程では、昨年7月に実施した初回の燃焼試験において、燃料タンクからエンジンへ水素と酸素を押し出すための加圧が不十分であるという課題が判明しました。この問題に対処するため、JAXAは加圧に使用するガスの量を増やし、システムの改良を実施。3月に行われた再試験では、これらの改善策が功を奏し、エンジンが設計通りに動作することが確認されました。JAXA関係者は「開発上の大きなハードルを越えた」と評価し、技術的な進展を強調しています。
打ち上げめどは未定 8号機失敗の影響懸念
しかし、H3ロケットの開発には依然として課題が残されています。昨年12月に打ち上げに失敗した8号機で原因と疑われる部材を、6号機も使用していることが明らかになっています。この部材に関する詳細な調査と対策が完了するまで、6号機の打ち上げ日程は確定しない見通しです。JAXAは安全性を最優先に、原因究明と対策の確立に取り組んでおり、今後の進捗が注目されます。
種子島宇宙センターを舞台にしたこれらの試験は、日本の宇宙開発技術の向上と、国際競争力の強化に向けた重要な一歩です。JAXAは、H3ロケットシリーズを通じて、信頼性と経済性を兼ね備えた打ち上げシステムの確立を目指し、開発を継続していく方針です。



