ロシアのプーチン大統領は12日、核弾頭を搭載可能な新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」の発射試験が同日成功したとする報告を、露軍戦略ミサイル部隊のカラカエフ司令官から受けた。プーチン氏はサルマトを「世界で最も強力なミサイル」と称し、「年末にも実戦配備される予定だ」と明言した。射程は3万5000キロ以上で、「既存および将来のあらゆるミサイル防衛(MD)システムを突破できる」と主張した。露大統領府が発表した。
プーチン氏はロシアの核戦力の充実を誇示し、ロシアが侵略を続けるウクライナや、同国を支援する欧州諸国を威圧する狙いがあるとみられる。プーチン氏は昨年10月にも、核弾頭を搭載可能な新型の原子力推進式魚雷「ポセイドン」と、原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の発射試験に成功したと表明していた。今回のカラカエフ氏との会談では、ポセイドンとブレベスニクの開発が「最終段階」に入っていると指摘。さらに、2024年に露軍がウクライナに対して初めて実戦使用した新型の中距離弾道ミサイル「オレシニク」が、25年に実戦配備されたとも述べた。
サルマト開発の経緯と課題
サルマトはプーチン氏が2018年の年次教書演説で開発に言及した。露国防省は2022年、初の本格的な発射試験に成功したと発表。プーチン氏は22年と23年にも、サルマトが近く実戦配備されるとの見通しを示していた。しかし、24年には発射試験に失敗したとの報道もあった。今回の成功発表で、配備への道筋が再び明確になった形だ。
核戦力強化の背景
ロシアはウクライナ侵攻以降、西側諸国との対立が深まる中、核抑止力の強化を進めている。サルマトは従来のICBM「ボエボダ」(NATOコード名:サタン)の後継とされ、重量200トン超、複数の核弾頭搭載が可能とされる。プーチン氏は「既存のMDシステムを無力化できる」と強調し、ロシアの軍事技術の優位性をアピールした。
一方、専門家の間では、サルマトの実戦配備が遅れている背景に、技術的な課題や予算上の問題があるとの指摘もある。今回の発表が実際の配備につながるかは、今後の動向を注視する必要がある。



