ロシアが北朝鮮国民に発給したビザ、2025年は3万6千件超え 前年比約4倍の急増
ロシア外務省が3日までに発表した統計によると、2025年に北朝鮮国民に対して発給されたビザ(査証)の数は3万6413件に上り、前年2024年の9239件と比較して約4倍に激増したことが明らかになりました。この急増は、ウクライナ侵攻後にロシアと北朝鮮が築いてきた蜜月関係を反映しており、両国間の人的交流が活発化している実態が浮き彫りとなっています。
教育目的のビザが全体の9割以上を占める
ロシア外務省の領事部門が提供した詳細な内訳によれば、2025年に発給されたビザのうち、約3万5800件が留学や研究などの教育目的で取得されたものです。これは全体の9割以上を占める割合であり、北朝鮮国民のロシアへの渡航が主に学術的な理由に集中していることが示されています。
この傾向は、ロシアがウクライナ侵攻後に国際的な孤立を深める中で、北朝鮮との関係を強化する戦略の一環として、教育分野での協力を積極的に推進していることを裏付けています。人的交流の拡大は、両国間の政治的・経済的な結びつきをさらに強固にする役割を果たしていると分析されています。
プーチン大統領の祝電と戦略的パートナーシップの深化
このような背景には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(国務委員長)との間で築かれた緊密な関係があります。プーチン大統領は、2025年3月に金正恩氏が国家元首として再任されたことを受けて祝電を送り、「包括的戦略パートナーシップ」をさらに発展させるために緊密な協力を継続していく意向を表明しました。
この発言は、ウクライナ侵攻によって西側諸国からの制裁が強化される中、ロシアが北朝鮮を重要な同盟国として位置づけ、人的交流を含む多方面での連携を強化していることを示しています。ビザ発給の急増は、その具体的な成果の一つとして捉えられるでしょう。
ウクライナ侵攻後の国際情勢と両国関係の展望
ウクライナ侵攻が開始されて以降、ロシアは従来の国際的なパートナーシップを見直し、北朝鮮との関係を特に重視する姿勢を強めてきました。今回のビザ発給データは、その一環として教育交流を促進することで、長期的な人的ネットワークの構築を図っていることを示唆しています。
今後もロシアと北朝鮮の間では、以下のような動きが予想されます:
- 教育分野を中心とした人的交流のさらなる拡大
- 政治的・軍事的な協力の深化
- 国際社会からの孤立に対抗するための相互支援の強化
このような展開は、東アジアおよび国際社会全体の安全保障環境に影響を及ぼす可能性があり、今後の動向が注目されます。



