EUがイラン攻撃を巡り双方に自制を要請、アラブ諸国は反撃を強く非難
ロンドン発――米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を契機に、国際社会の対応が分かれている。欧州連合(EU)は攻撃に関与する全ての当事者に自制と国際法の尊重を呼びかける一方、アラブ諸国はイランによる反撃行為を厳しく批判している。
欧州委員会が声明発表、英国は地域紛争の拡大に懸念
欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は2月28日、「全ての当事者に最大限の自制と国際法の尊重を呼びかける」との公式声明を発表した。この声明は、中東地域における緊張の高まりを背景に、平和的な解決を促す内容となっている。
2003年のイラク戦争では米国側で参戦した英国政府は、今回の事態では米国との距離を置く姿勢を示唆。政府報道官は声明で、「イランの核兵器開発を認めてはならない」と強調しつつも、「より広範な地域紛争に発展する事態を望んでいない」と述べ、関係各国に自制を求めた。
ドイツ政府はイスラエルからの事前連絡を確認、緊密な連携を表明
ドイツ政府報道官は、イスラエル側から攻撃開始の事前連絡を受けていたことを明らかにした。同報道官は、「事態の推移を注視し、欧州諸国と緊密に連携する」と述べ、欧州内での協調的な対応を重視する姿勢を示した。
アラブ諸国はイランの反撃を強く非難、サウジアラビアが主導
イランが米軍施設のある複数の周辺国に反撃したことに対し、アラブ諸国は一斉に批判の声を上げている。アラブの盟主とされるサウジアラビア政府は、「最も強い言葉で非難する」との声明を発表し、イランの行動を厳しく糾弾した。
アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートなどの湾岸諸国も同調し、クウェート外務省は「イランによる凶悪な攻撃を強く非難する」と表明。これらの国々は、地域の安定を脅かすイランの行為に対して、強い懸念と反対の意思を示している。
今回の軍事攻撃とそれに続く反撃は、中東情勢のさらなる緊迫化を招いており、国際社会の対応が今後の展開を左右する重要な要素となっている。欧州とアラブ諸国の異なる立場は、国際的な連携の難しさを浮き彫りにしている。



