関西のドクターヘリ2機が運航停止へ 委託先不足で広域医療に影響
関西広域連合が運用するドクターヘリ8機のうち、大阪府と徳島県に配備されている2機が、2026年4月以降当面の間、運航できない見通しとなった。運航を委託してきたヒラタ学園(堺市)との契約が3月末で終了し、新たな委託先が見つからないためである。この事態は、関西地域の広域救急医療体制に大きな影響を与える可能性が高い。
契約終了で運航継続が困難に
関西1府6県に配備されているドクターヘリは、これまで全てヒラタ学園が運航を担ってきた。しかし、同社では休職や退職による整備士の不足が深刻化し、昨年7月から順次運休を余儀なくされてきた。現在、奈良県と和歌山県に配備された2機を除く6機は、いずれも3月末でヒラタ学園との契約期限を迎える。
広域連合は全国規模で新たな運航委託先を探していたが、担当者は「ドクターヘリを運航できる業者は限られており、どこも人手不足に悩んでいる」と現状を説明する。特に専門的な整備技術と即応体制が求められるドクターヘリの運航は、民間企業にとって負担が大きく、参入障壁が高いのが実情だ。
残る6機も一部運休の可能性
大阪と徳島の2機に加え、残る6機についても一部で運休が見込まれている。広域連合は、運航が継続できる機体を中心に、カバー体制の強化を急いでいる。具体的には、近隣県のドクターヘリによる応援派遣や、地上救急隊との連携強化などを検討しているが、広大な関西地域をカバーするには限界があるとの指摘も出ている。
ドクターヘリは、交通事故や重症患者の緊急搬送において、時間的制約が厳しい場面で不可欠な存在だ。特に離島や山間部など、救急車でのアクセスが困難な地域では、その役割は極めて大きい。運航機数の減少は、救命率や治療のタイミングに直接影響を及ぼす恐れがある。
長期的な対策が急務
今回の問題は、単なる委託先の変更ではなく、ドクターヘリ運航を支える人材と体制そのものが脆弱であることを浮き彫りにした。広域連合は、運航委託先の確保と並行して、整備士の育成や待遇改善を含む長期的な対策の必要性を強調している。
また、国や地方自治体による財政支援や規制緩和など、制度面でのサポートも求められる声が高まっている。関西地域の住民にとって、安心して利用できる救急医療体制の維持は喫緊の課題であり、早期の解決が期待されている。



