静岡県富士市の須津千人塚古墳で、古代東アジアの交流を考えるうえで貴重な金銅製の帯金具が出土した。朝鮮三国時代の古代国家・百済の後期に、官人の身分を表すために使われた金具の一部とみられ、日本国内での出土は初めて。富士市が7日に発表した。
発見の概要
出土した帯金具は、百済の後期、都が泗●(サビ)におかれたころ(538~660年)のものとみられる。鳳凰や鬼神などの文様が施され、当時の第一級の工芸技術で作られた。須津千人塚古墳は直径21メートルの円墳で、駿河湾の奥、愛鷹山の山麓に広がる須津古墳群(総数約200基)のうちの有力古墳だ。発掘調査は2024年度に行われ、その後、出土遺物の保存処理を実施したところ、文様などが判明した。
古墳の詳細
同古墳からは、帯金具以外に、飾大刀、馬具、鏃、弓金具、銅鋺、土器などが出土しており、少なくとも4人が葬られていたと考えられている。富士市教育委員会によれば、帯金具は最初に古墳を作った人物に伴うものとみられる。この人物が埋葬されたのは7世紀中頃とみられ、帯金具の製作年代を考えても違和感はないという。
文様の特徴
帯金具にみられる鬼神や、古代中国で仙人が住む山として知られる三神山などの文様は、朝鮮半島の旧百済地域から出土した冠の装飾や木棺の飾り金具などでも確認されている。日韓の古墳出土遺物に詳しい専門家は、この発見が古代日韓交流の実態を解明する上で重要な手がかりになると指摘する。
今後の研究
富士市教育委員会は、帯金具の詳細な分析を進めるとともに、他の出土品との関連性を調査する方針。この発見は、百済と倭国との活発な交流を示す証拠として、考古学界で注目されている。



