アルカリス、mRNA医薬品の一貫生産体制を国内初確立 福島・南相馬に製剤棟完成
アルカリス、mRNA医薬品の一貫生産を国内初確立

アルカリス、mRNA医薬品の一貫生産体制を国内初確立 福島・南相馬に製剤棟完成

医薬品受託製造のアルカリス(本社:南相馬市)は、同市原町区の下太田工業団地内にメッセンジャーRNA(mRNA)医薬品の製剤棟を完成させました。これにより、mRNA医薬品の原薬製造から製剤、出荷までの一貫した生産が国内で初めて可能となり、2028年の本格稼働を目指しています。完成式典と見学会が5日、同市で行われ、新たな生産ラインが紹介されました。

製剤棟の新機能と生産能力の拡大

製剤棟は、先行して稼働している原薬棟に増設する形で整備されました。新棟には、包装や充填、長期保存や有効性確保のため、原薬を粉状にする凍結・乾燥機能を新設。さらに、原薬を脂質で包み、体内でmRNAが分解されにくくする脂質ナノ粒子(LNP)の工程も行います。

原薬棟では既に、新型コロナウイルスに対応する次世代型mRNAワクチン(レプリコン)「コスタイベ筋注用」の原薬を製造してきました。製剤はこれまで別の企業が担当していましたが、今後は一貫生産に移行し、2028年秋冬接種用のコスタイベ出荷を目標としています。

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パンデミック対応と将来展望

感染症の世界的大流行(パンデミック)の際には、数週間程度で生産ラインを切り替え、ワクチンの早期供給を目指します。原薬棟と製剤棟を合わせると、年間で最大10億回接種分のワクチン原薬の製造が可能で、他社への供給も視野に入れています。最終的には自前で3200万回接種分を出荷できる体制を整えます。

原薬棟には治験薬の製造設備も設けられ、今夏にも稼働を開始する予定です。将来は感染症だけではなく、希少疾患やがんへの応用も見据えており、多様な医療ニーズに対応する計画です。

地元採用と社会的意義

従業員数は約100人で、同社は地元採用を進める方針を掲げています。高松聡社長は、「開発から製造ができる世界でも類を見ない施設です。福島に根付き、最先端の医薬品を世界に届けたい」と意気込みを語りました。

mRNA医薬品は、投与された後、ウイルスのmRNAが体内でたんぱく質をつくり、そのたんぱく質に対抗する抗体ができることで免疫を得られる仕組みです。比較的早く製造できるなどの特徴があり、今回の一貫生産体制の確立は、国内の医薬品供給力の強化に大きく貢献すると期待されています。

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