日銀、追加利上げ見送りも年内再利上げ視野 経済見通し据え置き
日銀、追加利上げ見送りも年内再利上げ視野

日本銀行は2日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決定した。市場の事前予想通り、追加利上げは見送られたが、声明文では「経済・物価情勢が想定通り推移すれば、遅滞なく金融緩和の度合いを調整する」との文言を維持し、年内の再利上げを視野に入れた姿勢を示した。

政策金利据え置き、追加利上げ見送り

日銀は2日、金融政策決定会合の終了後、政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を現行の0.5%程度に据え置くと発表した。市場では、日銀が4月の会合で追加利上げを行うとの観測もあったが、今回の判断は、国内経済の不透明感や米国の関税政策の影響を見極める必要があると判断したとみられる。

年内再利上げへの布石

声明文では、今後の金融政策運営について「経済・物価情勢が想定通り推移すれば、遅滞なく金融緩和の度合いを調整する」との従来の表現を踏襲した。これは、日銀が年内にも再利上げに踏み切る可能性を排除しないことを示唆している。植田和男総裁は会合後の記者会見で、「経済・物価の見通しが実現する確度が高まれば、追加利上げを検討する」と述べ、柔軟な姿勢を強調した。

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経済見通しは据え置き

日銀は同時に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2025年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通しを前年度比1.2%、2026年度を同1.0%と、前回1月時点から据え置いた。消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)上昇率は、2025年度が2.1%、2026年度が1.9%と、やはり据え置かれ、物価上昇率は2%程度で推移するとの見方を維持した。

ただし、日銀は物価上昇率について「基調的な物価上昇率は、緩やかに上昇している」と評価し、賃金と物価の好循環が続いているとの認識を示した。植田総裁は、「賃上げの動きが中小企業にも広がりつつあり、サービス価格の上昇につながっている」と指摘した。

市場の反応と今後の焦点

決定を受けて、東京外国為替市場では円相場が1ドル=144円台前半と、やや円安方向に振れた。市場では「日銀の据え置きは予想通りで、むしろ年内利上げへの期待が残ったことで、円安は限定的だった」(アナリスト)との声が聞かれた。今後の焦点は、7月の会合で公表される四半期ごとの展望リポートや、米国の金融政策、為替動向などが鍵となりそうだ。

日銀は、物価上昇率が2%を安定的に超える状況にはないと判断し、緩和的な金融環境を維持する方針だ。一方で、円安による輸入物価上昇や、賃上げの持続性など、物価上振れリスクにも警戒を続けるとしている。

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