インプレゾンビがAIで巧妙化、海外アカウントが首相投稿に殺到する実態
インプレゾンビがAIで巧妙化、海外アカウントが首相投稿に殺到

連載:「正義」の正体 「みる・きく・はなす」はいま 現場から

AIで巧妙になるインプレゾンビ 海外アカウントが首相の投稿に殺到

2026年4月30日 5時00分 有料記事

X(旧ツイッター)上の話題の投稿に返信し、インプレッション(表示回数)を稼ぐ「インプレゾンビ」の投稿が、生成AI(人工知能)の進化によりさらに巧妙化している。2月24日、衆院選で当選した自民党議員にカタログギフトを配ったことについて、首相の高市早苗がXに釈明を書き込んだ。それに対する一つの返信が、瞬く間に拡散された。表示回数は15万8千回、1300件以上の「いいね」が積み上がった。

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その返信の内容は、こうだ。「一般庶民は終わりの見えない物価高と重税で、毎日が『大変厳しい』サバイバルです。それなのに、特権階級の政治家センセイたちは、身内で高級ギフトを贈り合って慰め合いですか」。これに対し、日ごろの不満をぶつけるかのように賛同するコメントが相次いだ。「本当にその通りです! 国民とかけ離れた考えだ」「結局は『選挙前だけ国民のための政治』をやるやる詐欺だったって事」など。

しかし、この「特権階級の政治家センセイ」を投稿したアカウントを調べると、プロフィル内にある「所在地」はアフリカ西部のナイジェリアだった。アフリカ最大の産油国で貧富の差が激しい国だ。過去の投稿をたどると、ふだんは英語を使っていたが、数千万回表示される日本の暴露系アカウントなどの投稿には日本語で返信していた。生成AIの提案文とみられる日本語も投稿の中に複数残っていた。「もっと炎上寄りにする?」「少しトゲありでいきましょう」といった文言が確認された。

記事の後半では、アカウントの所在地を追って取材を申し込み、やりとりした内容を紹介する。閲覧者数を増やして収益を上げる目的でXに投稿する「インプレゾンビ」と呼ばれるユーザーは、生成AIを使って投稿文を作成している実態が明らかになった。本人にダイレクトメッセージ(DM)で取材を申し込んだところ、返ってきたのは短い1文だった。

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平尾剛(スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)の視点:その国に居住していない人の、生活費を稼ぐためだけの投稿がXに溢れている。生成AIによってカタチだけ整えられた価値のない言葉がいまも量産されている現実は、広く知られるべきだろう。メディアリテラシー、いやもっと具体的にSNSの使い方は、学校教育で取り上げる必要がある。

#AIの時代 2026年4月30日 05:00

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