高市早苗首相が推進する裁量労働制の見直しについて、政府内での具体的な議論は夏以降に持ち越されることとなった。労使間の意見の隔たりが大きいことが主な要因であり、日本成長戦略会議の労働市場改革分科会は、27日に示したとりまとめ案において見直しの具体的な方向性には言及せず、議論を終了した。
とりまとめ案の内容
とりまとめ案では、裁量労働制の見直しを含む労働時間のあり方について、「簡単に結論が得られるものではない」と指摘。その上で、「夏以降の労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)において議論を行う必要がある」との表現にとどめた。委員からは大きな異論は出ず、この結論が成長戦略に反映される見通しである。
裁量労働制見直しの背景
首相は2月の成長戦略会議で、裁量労働制の対象業務のあり方について見直しを検討するよう指示していた。しかし、労働者側は裁量労働制の拡大に反対し、使用者側は柔軟な働き方の推進を求めるなど、意見の隔たりが大きく、早期の合意は困難と見られていた。
今後の展望
分科会のとりまとめを受け、政府は夏以降に労働政策審議会で本格的な議論を開始する方針だ。審議会では、労使の代表や有識者が参加し、具体的な制度設計について検討が行われる。成長戦略全体のとりまとめは6月を予定しており、裁量労働制の見直しはその後の課題として位置づけられる。
また、裁量労働制以外にも、長時間労働の是正やテレワークの普及など、働き方改革に関連する複数のテーマが審議会で議論される見通しである。政府は、労働市場の柔軟性と労働者の健康確保の両立を目指し、バランスの取れた制度設計を模索する。



