ウクライナ選手3人がヘルメット使用禁止に 冬季五輪で政治的表現問題が浮上
ミラノ共同 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックにおいて、ウクライナ代表選手3人が競技で使用予定だったヘルメットに書かれた言葉が政治的だとして、国際オリンピック委員会(IOC)や国際競技連盟から開幕前に使用を禁じられたことが明らかになった。ウクライナメディアが11日までに報じた。
ヘルメット禁止の対象となった選手たち
ショートトラック男子のオレフ・ハンデイ選手は、「英雄主義があるところに決定的敗北はない」という言葉が記されたヘルメットを使う計画だったが、国際スケート連盟から禁止を通知された。ハンデイ選手は「これは自分自身やチーム、国にとっての励ましの言葉だ」と反論し、表現の自由を訴えている。
フリースタイルスキー女子のカテリーナ・コツァル選手のヘルメットには、「ウクライナ人のように勇敢であれ」というメッセージが書かれていた。こちらもIOCから使用禁止の指示を受けた。
さらに、ロシアの攻撃で犠牲になったアスリートの顔を描いたヘルメットを着用予定だったウラジスラフ・ヘラスケビッチ選手も同様に禁止通知を受けている。ヘラスケビッチ選手は12日の初戦でこのヘルメットを着用する姿勢を示しており、問題はさらに発展する可能性がある。
五輪の政治的中立性と選手の表現の狭間
オリンピック憲章では、競技会場や選手の服装などにおける政治的な宣伝や示威行為が禁止されている。IOCはこの規定に基づき、ウクライナ選手のヘルメットを問題視したとみられる。
しかし、ウクライナ選手側は、これらの言葉が単なる励ましや愛国的な表現であり、政治的主張ではないと主張している。特にロシアによる侵攻が続く中で、選手たちの心情を反映したメッセージである点が注目される。
これにより、五輪の政治的中立性の原則と、選手の個人的な表現の自由の間で、微妙なバランスが問われる事態となった。選手たちはヘルメットを変更して競技に臨むことになったが、この決定に対する国内外の反応は分かれる可能性がある。
今後の展開と影響
今回のヘルメット禁止問題は、冬季五輪の開会式後に早くも浮上した国際的な論争となった。ウクライナ選手団は、祖国の状況を背景にした強い思いを抱えて大会に参加しており、このような制限が選手の士気やパフォーマンスに影響を与えるかどうかが懸念される。
また、他の国の選手や関係者からも、同様の表現をめぐる議論が起こる可能性があり、IOCの対応が今後の五輪運営に与える影響も注目される。大会期間中、この問題がさらに発展するかどうか、関係者の動向が注視されている。