埼玉県内企業の2025年度決算、飲食・小売りは好調、製造業に懸念
埼玉県内の主要企業における2025年度決算がこのほど出揃った。個人消費の堅調さを追い風に、飲食や小売りの各社では増収増益が顕著となった。一方で、一部の製造業では中東情勢の緊迫化に伴う資材費の高騰などが重荷となり、先行きに不安を抱える声も聞かれる。
飲食・小売り:インバウンドや猛暑が追い風に
ラーメンチェーン「日高屋」を展開するハイデイ日高(さいたま市大宮区)は、売上高が前期比11.9%増の622億円、最終利益は15.6%増の47億円と、いずれも過去最高を記録した。食材価格の高騰によるコスト増はあったものの、インバウンド(訪日客)の拡大や既存店の客数増加が寄与した。
スーパー「ヤオコー」を運営するブルーゾーンホールディングス(川越市)も好調で、営業収益が10.4%増、最終利益が17.0%増となった。人件費や水道光熱費、配送費の増加を、AIを活用した自動発注システムによる省力化でカバーした。また、個人消費の高まりを背景に、昨年11月にはヤオコーの店舗数が200店を突破している。
衣料品チェーンのしまむら(さいたま市大宮区)は、売上高が5.2%増、最終利益が6.1%増と、こちらも過去最高を更新。インバウンド需要に加え、長期化した猛暑の影響で夏物商品の販売が好調だったことが要因だ。
分譲住宅販売のケイアイスター不動産(本庄市)は、首都圏のマンション需要の高まりを背景に増収増益を達成。しかし、建設現場では職人不足や建材価格の高騰が続いており、同社の財務担当者は「現場のコスト増が販売価格に影響する懸念は拭えない」と慎重な見方を示している。
製造業:国際情勢の影響が重荷に
製造業の業績は総じて堅調だったが、一部企業には国際情勢の影響が色濃く反映された。自動車部品メーカーのテイ・エス テック(朝霞市)は、売上収益が4.0%減の4423億円、最終利益は17.3%減の71億円と減収減益となった。主力の座席シートなどは、最大の輸出先である中国での競争激化により販売台数が減少し、部品受注も落ち込んだ。同社の広報担当者は「中東情勢の悪化もあり、今期はウレタン価格の高騰が懸念材料だ」と話している。
全体として、県内企業の業績は業種によって明暗が分かれる結果となった。堅調な個人消費に支えられた飲食・小売りセクターの好調が光る一方、製造業では地政学的リスクや資材高騰が今後の収益を圧迫する可能性があり、引き続き注視が必要だ。



