三井住友FG中島社長、国内ビジネスでトップを目指す強い意気込み
三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長(62)が、読売新聞のインタビューに応じ、今春公表予定の2026年度から3か年の新たな経営計画について語った。中島社長は「いよいよ国内ビジネスでのトップと、世界で存在感を有するプレーヤーを本気で目指せるところにきた」と強調し、強い意気込みを示した。
新経営計画の核心:世界標準の財務目標と個人サービス拡大
具体的には、新計画に世界標準の財務目標や個人総合金融サービス「オリーブ」の会員倍増を盛り込み、国内外での事業成長を加速させる方針を明らかにした。中島社長は「国内の金融ビジネスでは、競合する金融グループが大企業取引や個人預金額で優位に立っているが、三井住友FGは中堅企業との取引や個人の預かり資産が強みだ」と指摘。総合的には最大手と良い勝負ができるとし、「国内ビジネスでトップと胸を張って言えるようにするための3年間にする」と述べた。
重視する経営指標:ROTEを主軸に世界水準を目指す
経営指標については、ROE(自己資本利益率)から、より実質的な稼ぐ力を示すROTE(有形自己資本利益率)を主な指標に据える方針を説明。現在は11%程度だが、米欧主要行は15~20%あることから、「世界で存在感を有するためには15%は必要」とし、3年で11~15%の中間を目指すと語った。純利益が2兆円程度になる計算で、十分な可能性があると自信を見せた。
歴史的背景と現在の成長:合併から25年、メガバンク2位に躍進
来期は、さくら銀行と住友銀行が合併し三井住友銀行が発足して25年の節目にあたる。中島社長は「当初は自己資本が足りず、海外事業も縮小して2期連続の赤字決算に陥った。規模はメガバンク最下位で、信じられないほど大変な状況だった」と振り返る。しかし、先人の努力により、現在は時価総額が約20兆円とメガ3グループのうち2位に成長。業務純益に占める海外事業の割合も3割まで拡大し、「国内ビジネスでトップ」「世界で存在感」といえる状況がすぐそこまで来ていると強調した。
個人向けリテール事業の強化:オリーブの会員倍増とデジタル化推進
個人向けリテール事業では、オリーブが順調に伸びており、3年後の2029年3月期末には現在の750万口座から1500万口座に倍増させる目標を掲げた。資産運用を支援する「ウェルスマネジメント」もオリーブ上で提供し、個人向けサービスのデジタル化をさらに進める方針だ。また、資産運用では、三井住友銀行、SMBC日興証券、SMBC信託銀行で統一ブランド「SMBCウェルス」を新設。日興の社員も銀行に出向し、銀行員として株や債券を販売できる体制を整え、効率的なサービス提供を目指す。
AI活用とIT投資:3年で1兆円投資、クラウド化と人材育成を強化
人工知能(AI)の活用については、3年で1兆円のIT投資を進め、各業務やサービスにAIを組み込む計画を明らかにした。ただし、円滑なAI利用にはデータ整備が必須であり、クラウド化の比率をグループ全体で10%から50%まで引き上げる。これらを主導するAI人材は、300人から1000人に増やす方針を示した。
営業人材の現場力維持:成果主義と能力主義を徹底
業務効率化が進む一方で、三井住友FGが重視する営業人材の「現場力」を維持するため、社員の現場力と遂行力を強みとして活かす施策を説明。三井住友銀行で1月に始まった人事制度では成果主義、能力主義を徹底し、企業の資金需要が高まる中、融資などで社員がリスクを取って顧客に尽くすことを重要視している。結果を出す能力が高い人材への報酬を手厚くすることで、モチベーション向上を図っている。



