NY原油先物が8営業日ぶり急反落、一時76ドル台に
2026年3月11日 - ニューヨーク・マーカンタイル取引所における原油先物相場が、8営業日ぶりに急激な反落を見せた。指標となる米国産標準油種(WTI)の4月渡しは、前日比11.32ドル安の1バレル=83.45ドルで取引を終了した。この急落は、供給混乱の長期化への警戒感が後退したことや、これまでの上昇に対する反動売りが要因となっている。
トランプ大統領発言で警戒感後退、一時76ドル台まで下落
相場急落の背景には、トランプ米大統領がイランとの交戦が近く終結するとの認識を示したことが大きく影響している。これにより、中東情勢を巡る供給混乱が長期化する懸念が後退し、市場では売り注文が優勢となった。その結果、取引時間中には一時的に1バレル=76ドル台まで値下がりする場面も見られた。
ホルムズ海峡情勢で下げ幅縮小、G7協調放出協議も影響
しかし、相場の動向には複雑な要素も絡んでいる。イランがホルムズ海峡で機雷を敷設し始める兆候を米情報機関が捉えたとの報道が伝わると、相場の下げ幅は縮小した。米国とイスラエルによるイランへの攻撃が継続しており、中東主要産油国の供給への影響が長期化する可能性も市場では意識されている。
一方で、日米欧の先進7カ国(G7)が備蓄石油の協調放出に向けた協議を進めるとの見方も広がっており、これが相場の上昇を抑える要因として働いた。市場関係者からは、供給不安と需給調整のバランスが今後の焦点との声が聞かれる。
前日は119ドル台まで急騰、約3年半ぶり高値も
今回の急反落は、前日の取引で見られた急騰からの反動という側面も強い。9日の取引では、中東情勢の緊迫化を背景に原油供給への不安が強まり、WTIが119ドル台まで急騰する場面があった。終値も約3年半ぶりの高値を付けており、市場の変動の激しさが浮き彫りとなっている。
今後の相場動向については、中東情勢の進展やG7の動き、さらには世界的な経済情勢など、多角的な要因が影響を与えると予想されている。投資家やアナリストの間では、慎重な観測が続いている。



