G7、石油備蓄の協調放出を議論 イラン情勢緊迫で供給不安、実施ならウクライナ侵攻以来4年ぶり
G7が石油備蓄放出を議論 イラン情勢で供給不安、実施なら4年ぶり (10.03.2026)

G7が石油備蓄の協調放出を協議 イラン情勢緊迫化で供給不安が高まる

主要7カ国(G7)は2026年3月10日夜、オンライン形式でエネルギー相会合を開催し、国際エネルギー機関(IEA)加盟国による石油備蓄の協調放出について本格的な議論を開始した。この会合は、イラン情勢の緊迫化に伴う原油供給への懸念が高まっていることを受けて急きょ招集されたものである。

赤沢経産相が協調放出を支持 市場安定化へ有効な手段と強調

赤沢亮正経済産業相は同日夕方に行われた閣議後の記者会見において、G7が石油備蓄の協調放出を含む具体的な措置を取ることで合意に至ったことを正式に明らかにした。赤沢氏は会見の中で、「現在の市場状況を考慮すると、協調放出は供給不安を解消し、価格の安定を図る上で極めて有効な手段である」と述べ、日本としてもこの措置を強く支持する考えを示した。

今回のエネルギー相会合には、IEAのファティ・ビロル事務局長も特別参加し、実際に備蓄を放出するか否か、また実施する場合の具体的な時期や規模について、各国間で活発な意見交換が行われる見通しだ。G7各国は前日の9日夜に開催された財務相会合においても、石油市場の安定化に向けた緊急対応の必要性を確認しており、エネルギー分野での連携を強化する方針で一致していた。

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実施されればウクライナ侵攻以来4年ぶりの大規模措置

仮に今回の協調放出が実際に実行に移されれば、ロシアによるウクライナ侵攻が開始された2022年以来、実に約4年ぶりの大規模な国際的な石油備蓄放出となる。2022年当時は、侵攻に伴う制裁措置によって世界的な原油供給網が混乱し、価格が急騰したことを受け、IEA加盟国が史上最大規模の備蓄放出を実施した経緯がある。

現在の中東情勢は、イランを巡る緊張の高まりによってさらに複雑化しており、エネルギー安全保障に対する懸念が各国で強まっている。特にホルムズ海峡など重要な輸送ルートに影響が及ぶ可能性が指摘されており、供給途絶への備えが急務となっている。

専門家の間では、協調放出が実施された場合、短期的には原油価格の上昇圧力を緩和する効果が期待される一方で、戦略備蓄の減少が長期的なエネルギー安全保障に与える影響についても慎重な検討が必要だとの指摘が出ている。今後の会合では、以下の点が重点的に議論される見込みである。

  • 放出する石油備蓄の総量と各国の分担枠
  • 実施時期と市場投入までの具体的なスケジュール
  • 価格安定化効果の持続性と追加措置の必要性
  • 中長期的なエネルギー供給体制の強化策

世界経済は依然として不安定な要素を抱えており、エネルギー価格の変動が景気や物価に与える影響は大きい。G7各国は、今回の会合を通じて、エネルギー市場の安定を確保し、経済全体の健全性を維持するための協調的な対応策を模索している。

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