ガソリン価格高騰で群馬県民の生活に深刻な影響 4割が「160円までが限界」と回答
群馬経済研究所(前橋市)が実施した自動車燃料価格に関する緊急調査で、県民の40.2%がレギュラーガソリンの我慢の限界を「1リットル160円以下」と考えることが明らかになった。調査は3月18日から24日にかけてインターネットで行われ、県内在住の20歳以上の男女499人が回答した。
価格高止まりが続く県内のガソリン事情
資源エネルギー庁の給油所小売価格調査によると、群馬県内のレギュラーガソリン価格は3月16日に過去最高の189.5円を記録。同30日時点でも166.1円と高水準が続いており、消費者にとって大きな負担となっている。
調査では「いくらまでなら我慢できるか」との質問に対し、「160円以下」が40.2%で最多となった。「170円以下」は22.9%、「180円以下」が19.7%と続き、政府が目安とする「170円程度」は半数近い消費者が受け入れ難いと感じている計算になる。
車利用の抑制から消費行動の変化まで
価格高止まりが続いた場合の運転面での心掛けでは、「車の利用頻度を減らす」が42.9%で最も多く、「エコドライブを心掛ける」が37.6%、「車の走行距離を減らす」が34.6%となった。
生活スタイルや消費行動への影響では、「レジャーを控える」が35.9%でトップ。「外食・グルメ費を節約」が28.0%、「旅行を控える」が27.0%と続いた。注目すべきは「徒歩・自転車利用を増やす」も27.0%に上り、近距離でも車移動が多い群馬県内では画期的な変化を示す結果となった。
地域経済への波及効果と専門家の懸念
同研究所は、ガソリン価格の上昇が「単なる生活コストの増加にとどまらず、可処分所得の減少を通じて消費全体を抑制する要因となりやすい」と指摘。持続可能な地域経済を実現するには、交通インフラや住民の生活様式を含めた総合的な見直しが必要だと訴えている。
背景にはイラン情勢の悪化があり、これが価格高騰の要因となっているが、収束の見通しは立っていない。燃料高の長期化は、マイカー依存度の高い群馬の家計と地域消費に深刻な影響を与える可能性が高い。
県が有識者会議を新設 長期的な対策を検討
群馬県の山本一太知事は2日の定例記者会見で、緊迫するイラン情勢を受け、石油由来製品やエネルギーの不足による県民生活や地域経済への影響に備えるため、有識者会議を新設する考えを明らかにした。
会議は知事直轄とし、国際政治やエネルギー分野の専門家6~7人程度で構成。短期的な危機対応だけでなく、中長期的な成長戦略や産業転換も視野に議論し、県施策に反映させる方針だ。
具体的には、再生可能エネルギーの活用拡大や省エネ、移動手段の見直しに加え、医療や生活インフラなど命と暮らしを守る分野を優先し、限られたエネルギーや資源を効率的に振り向ける方策を検討する。
山本知事は、群馬県が自動車依存の高い「車社会」であることを踏まえ、「供給網の遮断と価格高騰は県民生活を直撃し、地域経済の根幹を揺るがす深刻な脅威となりうる」と強調。「仮に足元の事態が収束しても、地政学的リスクはなくならない」と述べ、長期的な備えの必要性を訴えた。
設置時期は未定だが、イラン情勢を見極めながら早期の立ち上げを目指すという。県民の4割がガソリン価格の限界点を示した今回の調査結果は、エネルギー政策と地域経済の在り方について根本的な問いを投げかけている。



