水素トラック1000台で福島―福岡間を結ぶ「水素大動脈構想」原案まとまる、トヨタなどが脱炭素輸送の実現目指す
水素トラック1000台で福島―福岡間「大動脈」構想、トヨタなどが原案 (04.04.2026)

水素トラック1000台で福島―福岡間を結ぶ「大動脈」構想、トヨタなどが原案を策定

トヨタ自動車をはじめ、川崎重工業、関西電力、そして全国の自治体など、500を超える国内企業や組織が参加する「水素バリューチェーン推進協議会」は、水素社会の実現を目指す「水素大動脈構想」の原案をまとめました。この構想の核心は、水素を燃料とするトラックを1000台以上導入し、福島県から福岡県に至る幹線輸送ルートを「水素の大動脈」として確立することにあります。

中東情勢悪化を背景にエネルギー安全保障を強化

中東情勢の悪化に伴い、原油調達への懸念が高まる中、この構想はエネルギー安全保障の強化とコスト低減を両立させることを目指しています。協議会は産業の枠を超えた連携を推進し、政府の成長戦略にこの構想を盛り込むよう働きかけていく方針です。水素燃料は脱炭素化に貢献する技術として注目されていますが、従来はコストの高さが普及の障壁となっていました。

2031年までに数百台、2032年以降に1000台以上の導入目標

推進協議会は具体的な目標として、水素燃料電池(FC)や水素エンジンを搭載したトラックを2031年までに数百台規模で運行させ、2032年以降には1000台以上に増やす計画を掲げています。運行ルートは、福島から東京、愛知、大阪などを経由して福岡に至る主要幹線道路を想定しており、自治体と連携しながら水素補給ステーションの整備も同時に進めます。

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商用車の走行量を増やすことで、車両や水素の安定的な需要を創出し、関連産業の育成を図ることが狙いです。水素の供給については、当面は製鉄や石油精製などの工程で発生する副産物の利用を検討し、需要の拡大に合わせて自然エネルギーなどを用いて生成する「グリーン水素」への移行を目指す考えです。

普及に向けた課題と今後の展望

しかし、構想実現には高いハードルが存在します。次世代自動車振興センターのデータによると、水素ステーションは2025年11月時点で全国に148か所にとどまっており、水素燃料で走る乗用FCV(燃料電池車)の2025年の販売台数は431台でした。FCトラックの利用も限定的で、価格はディーゼル車の約6倍に達すると見積もられています。

推進協議会の共同会長を務めるトヨタ自動車の佐藤恒治副会長は、読売新聞の取材に対し、「産業をまたぐ大きな枠組みになるよう、これから議論を深めていきたい」と述べ、広範な協力体制の構築に意欲を示しました。この構想が成功すれば、日本の脱炭素化とエネルギー自立に向けた大きな一歩となることが期待されます。

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