和歌山から宇宙人を発見するという夢のような挑戦が動き出している。地球外知的生命を科学的に探査する研究会が発足し、来年夏には和歌山県紀美野町の標高約400メートルにある町立みさと天文台を拠点に観測を計画している。
国際月探査と同時期に発足
国際月探査「アルテミス計画」は日本時間4月7日、宇宙船が月の裏側に回り、人類の宇宙での到達距離を更新した。その翌日となる8日、「日本SETI研究会」が、日本のSETI研究組織として初めて発足した。SETIとは「地球外知的生命探査」を意味する英語の頭文字で、科学的手法を用いて地球外生命の観測や研究を行う任意団体である。
関西の天文学者ら約10人で構成
研究会は関西の天文学者を中心に約10人で構成される。会長は日本のSETI研究の第一人者である鳴沢真也・兵庫県立大学専任講師が務める。副会長には尾久土正己・奈良県立大学長と富田晃彦・和歌山大学教授が就任し、電波観測に詳しいみさと天文台の岸裏一起客員研究員が技術局長を担当する。
事務局長を務めるみさと天文台の米澤樹研究員(29)は、研究会の発足について「研究成果の共有や新たな研究者の参画のほか、一般の人が応援してくれるきっかけになる」と期待を寄せている。
今後の観測計画
研究会は来年夏、みさと天文台の電波望遠鏡を使用して、地球外知的生命からの信号を捉える観測を実施する予定だ。観測対象となる周波数帯や具体的な方法については、今後検討を進めるという。
SETI研究はアメリカを中心に長年行われてきたが、日本では組織的な取り組みが乏しかった。今回の研究会発足により、国内の研究者間の連携強化や、若手研究者の育成、市民参加型の観測プロジェクトなどが期待されている。



