人が触れるだけで「かわいさ」増加 大阪大が心理メカニズム解明
触れると「かわいさ」増加 大阪大が心理メカニズム解明

触れる行為が「かわいさ」を増幅させる心理メカニズムを大阪大が解明

大阪大学の研究グループが、人が触れられているだけで物がより「かわいく」感じられ、さらに触れている人に対してもかわいいと感じるという、興味深い心理的メカニズムを突き止めました。この研究成果は科学誌『プロスワン』に掲載され、文化を越えた普遍的な感性の一端を明らかにしています。

「ベビースキーマ」と触れる行為の相乗効果

従来から、赤ちゃんや子犬・子猫などに見られる大きな頭、丸みを帯びた短い手足、前方に突き出た広い額といった身体的特徴は、多くの人に「かわいい」と感じさせることが知られていました。動物行動学者の故コンラート・ローレンツ博士が1943年に提唱した「ベビースキーマ(赤ちゃん図式)」と呼ばれるこの概念は、かわいさの基本的な要素として広く認識されています。

今回の研究では、このベビースキーマの程度が高いぬいぐるみ(パンダとトリケラトプス)と、ベビースキーマが低いビーズクッションを用意し、モデルの人がこれらに両手で触れたときと全く触れていないときの写真を日米の成人男女397人に見せて評価してもらいました。

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日米共通の評価結果が示す文化を超えた感性

実験の結果、日米両国の参加者において、人が触れている物は触れていない物よりも明らかに「かわいい」と評価される傾向が確認されました。さらに注目すべきは、触れている人自体に対しても「かわいい」という印象が強まるという、二重の効果が観察された点です。

この現象は、ベビースキーマの程度が高いぬいぐるみだけでなく、ベビースキーマが低いクッションにおいても同様に確認され、触れる行為そのものがかわいさの知覚に影響を与えることが示唆されています

実生活への応用可能性と今後の展望

研究グループは、この発見が広告や商品開発において重要な示唆を与えると指摘しています。例えば:

  • 商品を手に取っているモデルを使用することで、商品自体の魅力を高める可能性
  • ペットや赤ちゃんとの触れ合いを強調したコンテンツが、より強い共感を生み出す効果
  • 人と物の親和的な関係性を可視化することで、消費者の購買意欲を刺激するアプローチ

入戸野宏・大阪大学教授は「周囲との親和的な関係性によってもかわいさが生まれるというメカニズムは、人間の社会的認知の深層を理解する手がかりとなる」と述べています。この研究は、単なる心理学的発見にとどまらず、マーケティングやデザイン、さらには人間関係の理解にも応用できる可能性を秘めているのです。

今後は、触れる行為以外の要素(笑顔や優しい言葉かけなど)がかわいさの知覚にどのような影響を与えるかについて、さらなる研究が期待されています。文化や世代を越えた普遍的な感性の解明は、人間の本質的理解につながる重要な一歩となるでしょう。

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